2019年6月27日に、過疎地域等におけるドローン物流ビジネスモデル研究会の第4回会合が開催され、中間報告書(中間とりまとめ)が、国交省のHPで発表されています。
第三回会合での議論内容が整理され、内容は多岐に亘りますが、同じく発表されている、「中間とりまとめの概要」を整理してみました(以下、抜粋)。
1. とりまとめ方針
- 国土交通省が2018年度に全国5地域で実施した検証実験の結果等を踏まえ、2019年度に数件程度の商業サービス実現に目処をつけるため、ドローン物流ビジネスモデルの構築に関する基本的な考え方(周辺条件に対応した展開や経費抑制・収入増加のための対応手法等)を整理
- 国や地方公共団体による初期段階の支援及び地方公共団体による地域課題解決のための継続的支援の重要性を強調するとともに、内容の具体例を提示
2. ビジネスモデル
1) 地域社会の基本的条件
- 人口分布、輸配送地点の位置関係、公共サービスの提供状況
・集落、商店街等の位置、電気通信等の状況を踏まえたルート検討- 地理的・自然的条件の考慮
・海上の突風、谷底の電波減衰等
・天候等による稼働率への影響- 社会受容性の醸成
・地元住民等の理解を得るための地方公共団体による主体的な取組
・リスクを補償する保険への加入2) 経費抑制
- 極力少人数による実施体制の構築
・目視外補助者無し飛行による飛行に関わる直接作業の省人化
・点検必要箇所が少ない機体の活用
・アプリ、ケーブルテレビ、荷物収納機能を持つ電子鍵付きドローンポートの活用による飛行以外の作業の省人化- 設備投資費用の削減
・共同利用や共同輸配送等による1社・1回あたりの運航コスト削減3) 収入増加
- 多頻度利用(他用途含む)による収益性向上
・同一区間における輸配送の多頻度化
・複数区間における輸配送の実施
・観光振興、農林業利用、測量等の物流以外への活用- ドローン物流に適した貨物の選定(需要開拓含む)
・速達性を活かした少量高付加価値商品の選定に加え、新たな価値の創出3. 支援措置
- 機体等の購入・所有等
・高額な初期投資や人員確保が導入障壁となるため量産・習熟効果による低廉化実現まで支援が必要
・地域課題解決の有望な手段となる可能性
⇒国や地方公共団体による機体・付帯設備・ドローン物流システムの購入等に対する補助制度- 運航
・ 住民等に対するサービス水準が向上する場合や買い物支援等に要する費用が低減する場合は、継続的に運航経費を支援する意義あり
⇒地方公共団体による地域の課題解決に貢献する運航の経費に対する補助制度4. その他関連状況
- 官民の関係者による技術開発及び安全確保を前提とした上での環境整備が結果としてドローン物流の事業展開を更に推進することを期待
こうしてみると、過疎エリアでビジネスを行うのは難しいことが明らかになりますが、公共サービスとの関係、少量高付加価値商品の取扱い(例えば、前に論じた、医薬品などがこれに当たると思います)、国や地方公共団体の補助制度の視点などが参考になるように思います。
2019年中の数件程度の商業サービスの実現が目標とされています。
(2019.7.10)
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