福岡市の離島プロジェクト

先日言及した国交省が指定したドローン物流の検証実験地域のうち、福岡市のものは離島プロジェクトで、福岡市から玄界島の間の往復をルートとするようです。移動手段が乏しく、過疎の進んでいる離島に、医療品や必要な物資を運搬することを実現することを目標にしていて、とても良い試みだなと思います。有人島の数は420以上、限界集落の数は15,000以上とのことで、ドローンを利活用できるポテンシャルは大きそうです。

飛行ルートは海上と人口の少ない島のようですので、第三者上空飛行の障害は低そうです。飛行レベル3(無人地帯での目視外飛行)のプロジェクトとされています。

似たような話で、輸送インフラが充実していないアフリカの国において、医薬品や輸血用の血液の輸送にドローンが活躍しているニュースは近頃散見され、2018年9月6日の日経コンピューターではルワンダの例が取り上げられています。米シリコンバレー発のスタートアップであるジップライン(Zipline)が高速・大型機体を提供しているとのこと。日本でも本島と離島の間であれば実現するのではないかなと思う次第です。

福岡市のプレスリリースによると、ANAが代表事業者で航空機の運航管理やオペレーションのノウハウ、エアロセンス(ソニーとZMPの合弁会社)が自律飛行型ドローンを提供するそうです。

「無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領」の改定に関する議論においては、目視外補助者なしの飛行を実現するためには、機体や地上設備等の技術をより向上させることが必要であるとされています。有人機等を監視する運航管理システムの重要性も強調されています。この検証実験は、航空会社主導で、かかる技術向上を企図しているような印象を受けました。期待されるところです。

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