オーストラリア首都エリアにおけるWingのドローン物流に関する、政府常任委員会による問題点の指摘と勧告

Googleの子会社であるWingが、オーストラリアの首都エリアで、許可を得て、ドローン物流を実施していますが、オーストラリア首都特別地域立法議会(Australian Capital Territory Legislative Assembly)の「経済発展と観光に関する常任委員会」(Standing Committee on Economic Development and Tourism)が、Wingの配送に関して、関係者からのヒヤリング結果等に基づき、ドローンがもたらす騒音、プライバシーへの脅威、野生動物に対する影響に関するレポートをまとめ、政府(ACT Government)に対して、一定の調査の実施等の勧告(recommendation)を行っています。

2019年8月2日のWall Street JournalCanberra Timesが報じています。

「Inquiry into Drone Delivery Systems in the ACT」というレポートで、ACTのHPにおいて参照することができます。

レポートによれば、騒音に関する苦情が多く、ドローン物流がコミュニティに許容してもらうためには、騒音の問題を解決する必要性が強調されています。

ドローンが搭載しているカメラは、ドローンのポジショニングを確保するためのバックアップ用で、カメラが映し、Wingのサーバーに転送される画像は守秘義務を負う限られた担当者のみが確認するにとどまる形になっており、オーストラリアのプライバシー法には抵触しない形になっているとのことです。しかし、委員会は、ドローンサービス提供者が不特定多数の非ユーザーの情報を集めることが可能であることから、現行のプライバシー法が十分といえるか、法改正の必要がないか、ACT政府に検討するよう勧告しています。

また、委員会は、ドローンの騒音等が野生動物の個体や動きに与える影響について、WingとACT政府が共同して調査するよう勧告しています。

委員会の勧告は法的拘束力があるものではないですが、WSJによれば、Wingは、政府等に協力すると発表しているようです。

(2019.8.12)

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