2020年度の規制改革推進に関する答申とドローン関連の規制改革実施事項

政府の規制改革推進会議により、2020年7月2日に、2020年度の「規制改革推進に関する答申」内閣府のHPにて発表されています。2020年7月6日付日刊建設工業新聞によれば、政府は、2020年度の規制改革実施計画を作成し、2020年7月中に閣議決定するとのこと。

ドローン関連では、インフラ点検のための規制緩和が進行する見込みです。<実施事項>の箇所を抜粋してみました。航空法や電波法にも影響しそうです。

(2)デジタル技術の進展を踏まえた規制の総点検

ア 各インフラ施設の維持管理における新技術・データ利用促進のための環境整備

【令和2年検討・結論】

<実施事項>
インフラ長寿命化計画(行動計画)を策定し、かつ、インフラ施設を所管する国土交通省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省は、所管する各インフラ施設(別表参照)に関し、以下の①~⑦について、現状を把握の上、事業の特性に応じて実施を検討し、検討結果及び取組スケジュールを公表する。

① 点検要領等において、新技術の積極的採用姿勢を示すとともに、従来の点検方法が新技術により代替可能であることを明確に記載する。その際、ドローンや水中ロボット、走行型計測車両、赤外線照射装置、画像解析装置等の利用可能な新技術についてできるだけ具体的に記載する。ただし、利用可能な技術の例示を進めるが、限定は行わないものとする。
目視や打音等の人による点検を代替し得る技術について、活用を判断する考え方の整理を進めるとともに、技術の進展に応じて、検出の精度等について数値等による性能基準の設定を目指す。
③ 基準を満たした技術をカタログ等に掲載し、掲載技術については基本的に点検に採用できるものとして、その旨点検要領等に記載する。
④ 新技術を活用した具体的な点検方法や活用事例、新技術の活用を前提とした発注仕様書の例をガイドラインや事例集として、取りまとめる。特に、航空分野においては、『空港内の施設の維持管理指針』で定める維持管理の方法について、「維持管理・更新計画書作成基本案」に新技術の具体的な活用事例を示す。
⑤ 施設の諸元情報・点検結果等に係るデータについて、データベースを構築する。その際、データの有効活用を念頭に置いた上での登録項目やデータ形式の設定、関係者間で円滑にデータ共有可能な仕組みの検討を行う。特に、港湾分野においては、「維持管理情報データベース」において、維持管理に利用している技術に係る情報についても登録を可能とする。
⑥ 国直轄管理の施設について、新技術を用いた点検を行い、技術の有効性を実証する。
⑦ 上記①~⑥の取組について地方公共団体・事業者への周知及び意見交換を徹底する。また、地方公共団体を含む各インフラ所管部局に横串を刺すような意見交換を行うことのできる場を設ける。

イ インフラメンテナンスにおけるドローン利活用に向けた環境整備
【a,c,d:令和2年度措置、b:令和2年検討開始、結論を得次第速やかに措置、e:令和2年措置、f:令和2年度検討開始】

<実施事項>
a 国土交通省は、関係省庁等と連携し、ドローンを利用したインフラ点検を推進するため、インフラ点検用の飛行に当たり必要となる安全対策等を取りまとめたマニュアルを作成の上、HP上で公開し、これを使用した申請については、審査を省略する等の手続の簡素化・円滑化を図る。その際、使用環境の多様化や技術の進展を踏まえつつ、事業者や機体メーカーとの意見交換を行い現状について正確に把握しながら進める。
b 国土交通省は、使用する機体の信頼性、操縦士の技量、安全対策の実施方法によらず地上の人や航空機への影響がないことが明らかな飛行の類型(飛行範囲を制限するための係留措置を施すなど)について検討し、許可・承認対象の見直しを含めて、更なる手続の簡素化に向けた措置を講ずる。
c 国土交通省は、航空法におけるドローン利用申請や変更申請の手続に要する期間の短縮、手続の利便性向上を図るよう、DIPSの性能向上等に取り組む。
d 内閣官房は、関係省庁の協力を得て、各地方公共団体の条例について改めて実態を調査し、その結果を国土交通省航空局のHPに反映し充実させる。
e 総務省は、携帯電話の上空利用について、利用手続に要する期間を1週間以内に短縮する。
f 総務省は、今後のインフラ点検等におけるドローン利用の拡大、将来的な目視外を含む長距離での利用を前提とし、5G用周波数を含めドローンに利用可能な帯域の拡張について、ドローン活用の動向を踏まえながら、技術的課題の解決に向けた技術的検討を行う。

(2020.7.13)

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