新しい動産担保制度創設の動きと、ドローンを用いた動産担保融資の可能性

2019年9月6日の日経新聞は、法務省が、企業が動産を担保として融資を受けやすくするために、機械や在庫等の動産を対象とした新たな担保権を創設する検討に入ったと報じています。

法務省は、2019年3月に、「動産・債権を中心とした担保法制に関する研究会」を立ちあげ、検討を重ねています。商事法務研究会のHPで関連資料を見ることができます。

譲渡担保による動産担保融資は多く行われていますが、判例上の制度であり、第1回の研究会議事録では、以下の課題が指摘されています。

<部分的に判例があるが、明確ではないもの>

・譲渡担保権と他の担保権の優劣関係
・譲渡担保権が及ぶ従物や代償物の範囲
・設定者が不当に目的物を処分した場合の法律関係
・債務者が倒産した場合における譲渡担保権の取扱い

<現在のルールをより合理的に見直す余地があるもの>

・動産譲渡登記における目的物の特定の在り方
・譲渡担保権の対抗要件の在り方
・譲渡担保権の実行の在り方

上記の問題を再検討し、民法に明文の規定を設け、担保取引を安定させることが検討されています。

日経新聞によれば、2020年度秋に、法制審議会に改正内容が諮問される予定とのこと。

前にもとりあげたことがありますが(関連記事)、動産であるドローンは高額で(特に、産業・農業用)、一定の流動性もあるため、購入資金の資金調達等で、動産担保融資(アセットベースドレンディング)の利用余地があるように思います。

(2019.9.14)

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