日本政策金融公庫は、農業用ドローン導入のための融資を行っているようです。
2018年11月30日の山形新聞が紹介している例では、2015年4月に就農し、農業用ドローンで農薬や肥料の散布を行い作業の効率化を計画していた若手農家に対して、「青年等就農資金」を融資したとのことです。融資額は160万円で、農業用ドローンの購入金額の一部に充てられるようです。
<融資の概要・条件>
青年等就農資金の概要は、公庫のHPで見ることができます。一部抜粋してみました。
●利用できる者: 認定新規就農者
※市町村から青年等就農計画の認定を受けた個人・法人●資金使途: 青年等就農計画の達成に必要な、農業生産用の施設・機械等
※経営改善資金計画を作成し、市町村を事務局とする特別融資制度推進会議の認定を受けた事業に限る●融資条件
○返済期間: 12年以内(うち据置期間5年以内)
○融資限度額: 3,700万円(特認1億円)
○利率(年): 無利子
○実質的に無担保・無保証
・担保:原則として、融資対象物件のみ
・保証人:原則として個人の場合は不要、法人の場合で必要な場合は代表者のみ
就農促進の公的融資制度のようで、無利子融資の形になっています。
公庫の農林水産事業本部のリーフレットにも、別の農業用ドローン導入のための融資事例が紹介されています。
<考察: ドローン担保融資>
上記の融資において、融資対象物件である農業用ドローンに担保が設定されたのか関心があります。
ドローンは、法的に動産担保の対象になります。担保設定者が利用し続けるので、銀行が担保対象物件の占有を取得する動産質ではなく(民法352条)、動産譲渡担保ということになります。
シリアルナンバーによって物件が特定され、かつ、国交省の許認可申請に際して、所有者とシリアル番号が登録されます。バッテリーの制約があるため、遠くに飛ばすので担保物が散逸するおそれは少ないと思います。動産譲渡担保登記を具備することにより対抗要件の具備も容易に可能です。担保管理もできそうです。
また、ドローンには必ず損害保険を付保するので、保険会社に対する保険金請求権を担保対象にすることも考えられます。
特に、産業用ドローンは高額であり、中古ドローンの流動性がより高まれば、ドローンを担保としたドローン取得資金・事業資金の調達可能性もあるように思います。
DJI Phantom等のドローンが中心ですが、Recycle Point Tokyoなど、オンライン査定のサービスを開始した会社も出てきているようです。
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