NEDOがドローンの社会実装に向けた新たな研究開発の着手を発表

NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)は、2020年8月7日に、HP上で、ドローンの社会実装に向けた新たな、複数の、研究開発に着手したことを発表しています。以下は、事業内容に関する記載の抜粋です(橙色は筆者がマーキング)。

【1】ロボット・ドローン機体の性能評価基準等の開発

<性能評価基準等の研究開発>

●無人航空機に求められる安全基準策定のための研究開発【委託事業】

目視外および第三者上空などでの飛行に向け、ユースケース(機体規模や運航方法など)のリスクレベルに応じて求められる無人航空機の安全基準整備に向けて必要となる性能や安全性に関する性能評価基準や検証方法などの研究開発を実施します。また、無人航空機に求められるセキュリティ対策を検討し、対策基準についての研究開発を実施します。

●<エネルギーマネジメントに関する研究開発>【助成事業】

将来、無人航空機は衝突回避システムや準天頂衛星システム、機体識別(Remote-IDなど)の関連システムなどを搭載することで、これまで以上にバッテリー負荷が高まると想定されます。飛行の長時間化に向けたバッテリー性能向上も含め、安全な長時間飛行を可能とするエネルギーマネジメントなど周辺システムの研究開発を実施します。

【2】無人航空機の運航管理システム及び衝突回避技術の開発

<無人航空機の運航管理システムの開発>

●運航管理統合機能の機能拡張に関する研究開発【委託事業】

複数の運航管理機能が管理する多数の無人航空機が同一の空域を飛行するため、各運航管理機能間で飛行計画、空域情報、飛行状況を共有する運航管理統合機能の拡張について開発します。具体的には、社会実装の実現に向け、複数の地域で分散処理ができるよう機能拡張を行うとともに、無人航空機を扱う事業者向けサービスのユーザーインタフェースを改善します。また、全国規模で整備されている既存の地図情報と気象情報を活用し、各情報を運航管理統合機能に取り込み、運航管理機能へのサービス提供を実現します。

●単独長距離飛行を実現する運航管理機能の開発(離島対応)【委託事業】

準天頂衛星システムの補強信号を含むマルチGNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)により取得した高精度な位置情報により無人航空機の自律制御について開発します。また、安全かつ信頼性の高い目視外での自律飛行を実現するために、「無人航空機の衝突回避技術の開発」で開発し小型化された各種センサーを統合し、飛行試験によってその有効性を評価します。

●地域特性に考慮した情報提供機能に関する研究開発【助成事業】

無人航空機の安全飛行に関連する情報を、運航管理機能や運航管理統合機能などに対してAPI(Application Programming Interface)などにより提供する機能を開発します。

<無人航空機の衝突回避技術の開発>

衝突回避システムの小型化・低消費電力化【助成事業】

2017年度から2019年度に、光学カメラ、LiDAR、レーダーなどの各種センサーを用いて無人航空機自らが最適な飛行経路を生成し、衝突回避する技術の研究開発を行いました。今年度からはこれらの各種センサーの小型化、軽量化、低消費電力化を行い、これらを活用して衝突を回避する技術を開発します。

準天頂衛星システムの小型化・低消費電力化【助成事業】

2017年度から2019年度に、準天頂衛星システムを用いて、有人航空機と無人航空機、または無人航空機同士が、飛行中の飛行情報(高度、位置、速度など)を相互に通信し共有することで衝突回避する技術の研究開発を行いました。今年度からは、準天頂衛星システム受信機およびアンテナの小型・軽量化、低消費電力化を行い、これらを活用して衝突を回避する技術を開発します。

ドローンロードマップ2020に記載されている「環境整備」「技術開発」にリンクする研究開発事業となっているように思います。いずれも委託事業・助成事業で、実施予定先となる企業等についてもHP上で公表されています。

(2020.8.16)

 

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