皇居周辺等にて不審ドローン飛行の可能性(その2)

昨日の記事の続報ですが、2019年5月2日に引き続き、2019年5月6日の19時30分に、皇居近くの北の丸公園付近にて、ドローンらしき物体の飛行が警視庁に目撃されたようです。

2019年5月7日の日経新聞が報じています。

永田町・四谷周辺でも目撃されているとのことです。夜間の飛行でもあり、操縦者・機体の特定・捜査は容易ではないようです。

北の丸公園上空でのドローン飛行規制について、考えてみました。

まず、都立の公園や庭園内でのドローン飛行は、東京都立公園条例の「管理に支障がある行為をすること」(16条10号)に該当し、禁止されています。東京都が、都立公園の庭園の管理者に宛てて、その旨の通知を出しているようです(2015年5月12日の日経新聞)。

第16条 都市公園内では、次の行為をしてはならない。ただし、第一号から第七号までについては、あらかじめ知事の許可を受けた場合は、この限りでない。

1 都市公園の原状を変更しまたは用途外に使用すること。

2 植物を採集しまたは損傷すること。

3 鳥獣魚貝の類を捕獲しまたは殺傷すること。

4 広告宣伝をすること。

5 指定した場所以外の場所へ車馬等を乗り入れまたはとめおくこと。

6 立入禁止区域に立ち入ること。

7 物品販売、業としての写真撮影その他営業行為をすること。

8 都市公園内の土地または物件を損壊すること。

9 ごみ、その他の汚物をすてること。

10 前各号のほか、都市公園の管理に支障がある行為をすること

第25条 第16条の規定に違反して同条各号に掲げる行為をした者に対しては、5万円以下の過料を科する。

 

しかし、北の丸公園は都立公園ではなく、国民公園のようです(HP)。都立公園条例ではなく、「国民公園、千鳥ケ淵戦没者墓苑並びに戦後強制抑留及び引揚死没者慰霊碑苑地管理規則」という環境省令に基づき管理されています。

この環境省令の4条に、禁止行為が規定されています。

第4条 国民公園、墓苑及び慰霊碑苑地内においては、次の各号に掲げる行為をしてはならない。

1  植物を採取し、又は損傷すること。

2 鳥獣魚類を捕獲し、又は殺傷すること。

3  工作物を汚損すること。

4  立入禁止区域内に立ち入ること。

5  指定以外の場所へ車馬を乗り入れ、又はけい留すること。

6  公共便所以外の場所において大小便をし、又はこれをさせること。

7  池又はほりで遊泳すること。

8  指定以外の場所にごみその他の汚物又は廃物を捨て、又は放置すること。

9  たき火をすること。

10 広告物又はこれに類するものを掲示し、又は設置すること。

11 寄附金を募集すること。

12 前各号に掲げる行為のほか、職員が国民公園、墓苑又は慰霊碑苑地内の行為として適当でないと認めて制止する行為

東京都公園条例とは異なり、ドローンの飛行が、上記の禁止行為に該当するかは明確ではないように思います。4条12号で取り締まることは可能と思いますが、「職員の制止」が必要と思われ、一律禁止の規定と解するのは少し難しいようにも思います。また、この環境省令には罰則もありません。

いずれにせよ、抑止力としては不十分なため、航空法違反で捜査する必要があるように思います。但し、航空法違反の場合、昨日の記事で述べたように、人口密集地・夜間の飛行についてオンラインで包括許可を取っている者に対する取締りが課題になると思います。

皇居周辺での飛行は明らかに無法な飛行であり、このような事件が続くと、ドローン一般に対する規制の厳格化を招き、今後の利活用やドローン産業・技術の発展に対する影響が心配です。

今回のような明らかな無法な飛行の取締りが容易になるよう、皇居周辺、国民公園等は、特別法としての小型無人飛行機等禁止法の適用範囲に含めていくのが良いように思います。

(2019.5.7)

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