AmazonのCEOであるジェフ・ベゾスが、2013年12月に、5年以内にドローンによる配送が実現するという発言は、産業用ドローンの進展に大きな影響を与えたと言えます。(Amazonのドローン事業については、前の記事でも、少し触れました。)
ところが、5年が経過しようしている現在、Amazonによるドローン配送の実現の目処は立っていません。
2018年12月2日のNew York Times「Where are the Drones? Amazon’s Customers Are Still Waiting?」という記事において、その原因が論じられています。
記事では、人口が少ないエリアへの薬品の配達などは実現する日は遠くないが、一般消費者に対する即日ドローン配送が実現する日はまだ先であると論じています。
その理由として、以下のような点を挙げています。
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①バッテリーが長時間持たず、都度充電を要すること
②近隣に対するプライバシー・安全への配慮を要すること
③現時点では、人による宅配の方が、確実でコスト安であること
④FAAによる規制緩和に時間を要すること。現時点ではFAAの個別許可(waiver)を取って対応するしかないが、不特定多数の消費者に対する宅配の場合においてはワークしないこと。
※目視外飛行(beyond line of sight)に関しては10年かかるというコメントもあります。
また、テロ防止の観点から、第三者の上空を飛行するドローンを識別できる手法を策定する必要があること、飛行高度・連邦政府施設上空飛行・空港付近飛行・夜間飛行に関する多くの制限があるとの指摘がなされています。
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他方で、FAAのドローンの安全基準に関する保守的な姿勢が軟化し、上記waiver requestに対するレスポンスが早くなり、ドローンの損害保険が買いやすくなっていることを挙げ、AmazonのCEOは諦めないだろうという論調で結んでいます。
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