Wing Aviation LLCがドローン物流に関して、米国FAAから航空事業者としての認可取得の見込み

Alphabet(Googleの親会社)傘下のWing Aviation LLCが、ドローン物流に関して、来月(2019年5月)にも、米国FAAから、航空事業者としての許認可を取得できる見込みのようです。2019年4月10日のReutersが報じています。

Wing Aviationは、前に紹介した、FAAによるUAS Integration Pilot Programのメンバー(Virginia州)であり、アメリカやオーストラリアで数多くの実証実験を行ってきたようです。

機体や飛行実績のみならず、UTMのプラットフォームを準備した上で、2018年8月31日付で、FAAに対して、ドローンの物流事業を米国で展開するための、包括的なexemptionを申請しています(添付URL及び)。このexemptionに関する手続は、各事業者が、FAAから個別に目視外飛行・夜間飛行等の許可を取得するためのwaiver手続(添付URL)とは異なり、正式に公開され、パブリックコメント手続を経ています(添付URL)。パブコメ手続では、事業推進の観点からの賛成意見(DJI等)、及び安全面からの懸念・現行の規制との整合性等の観点からの反対意見の両方が出ています。

そして、公開情報によれば、2019年4月2日付で、exemptionの決定(=認可)が出ているようです(添付URL)。exemptionは、2021年3月31日までの期限で、多くの条件が付されています。

かかるexemption手続と同時に、米国内で、州を跨ぐ事業を実施するため、FAAからair carrier certification(part 119 air carrier certification for part 135 operations)を取得するための手続(添付URL)が進められていたようです。WingとFAAとの間で頻繁な折衝があったようですが、安全性や事業者の財務健全性要件等の充足が確認され、この手続が無事に完了し、認可が下りる(=証明書が発行される)見込みとなったものと思われます。

Reutersによれば、FAAの担当官が、社名を挙げなかったものの、米国初の、ドローン事業者に対する認可になる旨の発言があったのことです。Wing以外の事業者からは、このような手続の申請はなされていないとのことです。

米国の商用ドローン飛行の規制の枠組はまだ大きく変わっていないと思いますが、Google/Wingがこの手続を成功させたことにより、ドローンによる物流事業の進展が進むのか、米国の規制にどのような影響を与えるのか、Amazon等の他の物流事業者がどのように動くのかといった点が興味深く、今後の動向が注目されます。

(2019.4.18)

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