つくば市がスマートシティ倫理原則を公表

つくば市は、研究学園都市として、最先端の科学技術の社会実装を目指しつつ、技術導入の際に市民の権利が侵害されることを防止すべく、遵守すべき「つくばスマートシティ倫理原則」を公表しています。2019年10月10日のつくば市のHP公表されています。

「自律の尊重」「無危害」「善行」「正義」の4原則となっており、スマートシティ化は「市民の利益・恩恵のため」という基本的な考え方が示されています。また、それぞれの原則を遵守するための「具体的取組」が例示されています。

ドローンが入手する個人情報・データーの取扱い・シェアリングの局面で、考慮を要する論点になります。

以下が全文で、つくば市のHPからの引用です。

つくば市は、日本を代表する研究学園都市として、最先端の科学技術の成果を世界で一早く社会実装する使命があり、スマートシティ化を強力に推進していく。
スマートシティを構成する技術の核は情報技術であり、個人の属性から志向に至るまで幅広いデータが活用される。そのため、データのセキュリティ確保やシステムの安全性・透明性担保、さらには、市民の合意形成等の倫理的課題について、単に「配慮」に留まることなく、技術の導入と並走するように継続的な議論を行っていかなければならない。

今般、つくば市としてスマートシティ化を進めるに当たり、守るべき「倫理原則」をここに発表する。スマートシティに係る検討はまだ歴史が浅く、具体的な取組事例が限定的であることから、これまで数多くの議論がなされており、また最先端の知の実装という観点で共通項も多い「生命倫理」における4つの原則(BeauchampとChildress, 1979年)を軸に策定した。

なお、この原則は社会の変化に応じて具体化も含め随時見直していくとともに、実効性を高めるための技術的方策についても引き続き検討を行うこととする。

1. 自律の尊重
・市民に複数の選択肢が提供されること。
・透明性が担保され、市民が仕組みを理解した上で意思決定できること。
具体的取組: 透明性確保、説明責任の明確化、合意形成メカニズムの構築

2. 無危害
・市民は身体的、精神的、経済的な危害に晒されないこと。
具体的取組: 市民のプライバシーの保護、データのセキュリティ確保、システムのセーフティ確保

3. 善行
・社会、市民に恩恵がもたらされること。恩恵は常に、やむを得ない損失を上回ること。
具体的取組: 恩恵とやむを得ない損失の見える化

4. 正義
・全ての市民は年齢や性別、人種、宗教、思想、経済的事情等によらず、公平に扱われること。

・スマートシティ化により市民間の格差が拡がらないこと。
具体的取組: ユニバーサル化の推進、効果的な周知手法の開発、公平と平等の担保」

(2019.10.21)

 

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