以前コメントした、米国のIntegration Pilot Program(IPP)の実施地としてFAAに選定された10拠点のうち、今回は⑧のNorth Dakotaについて少しコメントしてみようと思います。
プロジェクトの内容は、FAAのHPに、以下の通り紹介されています。
North Dakota Department of Transportation, Bismarck, ND
PROPOSAL DESCRIPTION: The proposal includes a wide variety of diverse operations that incorporate advanced technologies that seek to expand UAS operations at night and Beyond Visual Line of Sight. The proposal will focus on data from four criteria: external systems, aircraft system technologies, training requirements, and processes and procedures.
PROJECT HIGHLIGHTS AND BENEFITS: Operations will be in multiple types of airspaces ranging from rural to urban areas. Working with experienced UAS research partners will lead to scalable operations for a multitude of UAS industries including linear infrastructure inspections, crop health monitoring, and media reporting and emergency response
夜間飛行や目視外飛行を伴う、インフラ検査、農作物のモニタリング、メディア、災害対応といったところでしょうか。North Dakota DOTのHPによると、8月と9月に実証実験が実施されています。
上記HPを見ると、FAAとNDDOTとの間で、IPPに関して、2018年5月7日に締結されているMemorandum of Agreement(MOA)が公表されており、実証実験に関して、官が締結する取り決めの例として参考になりそうです。MOUの内容は詳細ですが、備忘的に少しまとめてみました。
・期間: 3年間(2条)
・契約の目的: 無人航空機システム(Unmanned Aircraft Systems)技術の発展、UAS分野における米国のリーダーシップ、UASのNational Airspace Systemへの安全統合の実現(2条)
・IPPの目的: 事業者の開発促進、IPPで取得した情報等の政府による活用等
・主要参加者(Lead Participant)であるNDDOTは、FAAに対するデーターの提供(レポーティング)義務を負担。FAAは一定のデータの利用権を有する。
・レポーティングは、Economic Baseline、四半期、年次、最終といった形でフェイズ毎に行う。報告すべき内容もMOAに規定されている。
・FAAはNDDOTにAuthorization(権限）を与えつつ、モニタリングを行う権利を持つ。
・NDDOTは、FAAの規定等を遵守の上、IPPの遂行義務を負担する。
・FAAはIPPに関する補助金交付等を行わない。
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