医療機関へのドローン輸送の実証訓練と医薬品輸送に関する規制

前に、アフリカや、海外(ボツワナ)における医療機関へのワクチン輸送の実証実験や実例について書きましたが、日本国内でも、医療機関へのドローン輸送テストが行われています。

2018年10月23日付毎日新聞は、岩手県の宮古病院にて実証訓練が行われたことを報じています。同病院から4km離れた山口病院が災害で孤立し、通常の電話が使えなくなったことを想定し、衛星携帯電話をドローンで届ける訓練が行われています。

実際には、宮古病院の駐車場から、(山口病院と見立てた)宮古病院の寄宿舎まで、500mの距離を飛行させたにとどまります。

ドローンは7.4キロの重さまで積載可能で、「性能は国内一」とのことです。

しかし、毎日新聞も指摘していますが、日本では、法律上ドローンで医薬品を輸送することが制限されており、医療品の輸送は、残念ながら、上記実証訓練の対象にはなっていません。具体的には、以下の規定が関連します。

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医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(医薬品医療機器等法)
※旧薬事法です。

  • (調剤された薬剤に関する情報提供及び指導等)
  • 9条の3 薬局開設者は、医師又は歯科医師から交付された処方箋により調剤された薬剤の適正な使用のため、当該薬剤を販売し、又は授与する場合には、厚生労働省令で定めるところにより、その薬局において薬剤の販売又は授与に従事する薬剤師に、対面により、厚生労働省令で定める事項を記載した書面(当該事項が電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下第三十六条の十までにおいて同じ。)に記録されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を厚生労働省令で定める方法により表示したものを含む。)を用いて必要な情報を提供させ、及び必要な薬学的知見に基づく指導を行わせなければならない。
  • (要指導医薬品に関する情報提供及び指導等)
  • 36条の6 薬局開設者又は店舗販売業者は、要指導医薬品の適正な使用のため、要指導医薬品を販売し、又は授与する場合には、厚生労働省令で定めるところにより、その薬局又は店舗において医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師に対面により、厚生労働省令で定める事項を記載した書面(当該事項が電磁的記録に記録されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を厚生労働省令で定める方法により表示したものを含む。)を用いて必要な情報を提供させ、及び必要な薬学的知見に基づく指導を行わせなければならない。ただし、薬剤師等に販売し、又は授与するときは、この限りでない。
  • (販売方法等の制限)
  • 37条 薬局開設者又は店舗販売業者は店舗による販売又は授与以外の方法により、配置販売業者は配置以外の方法により、それぞれ医薬品を販売し、授与し、又はその販売若しくは授与の目的で医薬品を貯蔵し、若しくは陳列してはならない

※「要指導医薬品」は、薬局での店舗販売は可能であるものの、販売に際して薬剤師の対面での情報提供が必要なもので(4条5項3号)、インターネットによる販売(特定販売、薬規1条2項3号)は禁止されています。

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上記の規定により、原則として、店舗による販売・授与や対面による服薬指導が義務づけられています。その結果、ドローンによる授与・販売や、それに伴う遠隔服薬指導が行えないということだと思います

関連する論点として、過疎地域の住民の薬局への来院負担の問題もあります。そのため、福岡県など、薬剤師による対面での服薬指導義務の特例として、国家戦略特区内での遠隔服薬指導が検討・少しずつ始動しています。例えば、日本調剤のHP参照。

まだ先かもしれませんが、これがより一般化すれば、ドローンによる医薬品の輸送にも道が開けていくかもしれません。

 

 

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