レベル4に関する議論の進捗

レベル4を実現するための法制度に関する議論が、「無人航空機の有人地帯における目視外飛行(レベル4)の実現に向けた検討小委員会」において、月1回のペースで、今まで3回実施されています。

第3回が9月2日に実施され、議論の概要が明らかになってきています。以下は、配付資料中の国交省の令和2年9月2日付「共通認識及び検討すべき論点(案)」の一部抜粋です。

機体認証・技能証明制度が導入されることが前提となる等、大きな制度変更になりそうです。

公開されているスケジュール案によれば、本年12月に中間とりまとめが実施される予定です。

1. 制度の全体像

<共通認識>

(1) レベル4等のリスクの高い飛行については、厳格に安全性を確保する必要があることから、機体認証制度、技能証明制度を導入し、飛行する場合はそれぞれの取得を必須とするとともに、運航ルールに係る個別の許可・承認を行う(カテゴリーⅢ)
(2) それ以外の飛行(カテゴリーⅡ)について、機体認証及び技能証明を有している場合は、運航ルールに係る遵守事項の遵守を前提に個別の許可・承認を省略すること等により手続を簡略化する。

<今後検討すべき論点>

(1)レベル4以外に機体認証、技能証明及び運航ルールに係る許可・承認の確認を必須とする飛行(カテゴリーⅢ)として何があるかを整理する必要。

2. 機体認証

<共通認識>

(1) 機体の設計や製造者の製造体制を審査する制度(機体認証)を導入する。機体認証はカテゴリーⅢでの飛行を行う者に対し必須とする。一方、それ以外の飛行において、機体認証を有している場合は機体に係る個別の許可・承認の審査を省略すること等により手続きを簡略化
(2) 機体認証の基準は、飛行リスクに応じたものを設定
(3) 機体認証後も、使用者は製造者の指定の方法により、整備を行うことを義務化(整備義務)
(4) 機体が安全基準を満たさなくなった場合又はそのおそれがある場合は、国が使用者に対し是正を求め安全を確保する仕組みを導入(整備命令)
(5) 機体の設計等に不具合があることが判明した場合は、使用者にその事実を周知させるための仕組みを導入(リコール制度)

<今後検討すべき論点>

(1)機体認証にあたって国が審査する対象等の具体の方法※について、諸外国との整合性、従来の制度と比較してユーザー負担が過剰とならないか、機体の安全性が適切に確保できるかといった点を踏まえ検討する必要。※機体の設計、製造者の品質管理体制・完成検査体制の確認は国が行うこととし、1機毎の現状の確認はその製造者が行うこととするか、1機毎の確認まですべてを国が行うこととするか、機体認証に有効期間を設定するかなど
(2)整備義務や整備命令の対象とする使用者の範囲を整理する必要
(3)リコール情報を適切にユーザーへ伝えるための具体の方法を整理する必要(自動車のように製造者が直接使用者に対し不具合等を周知するか等)

3. 技能証明

<共通認識>

(1) 所要の学科及び実技試験を合格した場合に技能証明を発行することとし、カテゴリーⅢでの飛行を行う者についてはその取得を必須とする。一方、それ以外の飛行においても、技能証明を有している場合は操縦者の技量に係る個別の許可・承認審査を省略すること等により手続きを簡略化。
(2) 技能証明は機体の類型及び飛行方法に応じた限定を付すとともに、その取得には身体要件及び欠格要件を設けた上で有効期間を設定。

<今後検討すべき論点>

(1)必要となる手続き(学科試験・実技試験等)及び技能証明発行のための基準等について、従来の制度や他モード・諸外国と比較してユーザーへの負担が過剰とならないよう考慮しつつ、具体的に検討する必要。
(2)機体の類型及び飛行方法に応じ、どのように技能証明の限定を設定すべきか。また、自動操縦の場合の技能証明の限定を設けるか検討する必要。
(3)年齢要件の設定の是非について、若年層のドローン人材育成や事故時の賠償責任等の観点から議論が必要。
(4)身体要件について、視力・色覚等以外に要件とするものがあるか、一方で、安全に操縦できることを実技試験の中で確認することを以て担保することができるか検討する必要。
(5)欠格要件としてどのような事項を定めるべきか。
(6)有効期間は具体的にどれくらいの期間とするのが適切か。
(7)過度な負担とならないよう考慮しつつも、更新時にはどのような手続きとすべきか。

4. 運航ルール

<共通認識>

(1) 現状の許可・承認にあたって共通的に求めている、事故を発生させた場合の国への報告や飛行計画の通報については、遵守事項として法令に明確に位置付け、規律の強化を図る
(2) レベル4の飛行にあたっては、高い安全性が要求される一方、地形や環境によって想定されるリスクが様々であることから、運航者に対しリスクマネジメントの実施を必須
(3) 研究開発機関や事業者など、十分な安全管理体制を構築している機関に対しては個別の許可・承認を柔軟にできる仕組みを構築。

<今後検討すべき論点>

(1)事故報告の内容は、従来の許可・承認に係る審査要領の内容と同様に、人の死傷、第三者物件の損傷、機体の紛失、航空機への衝突・接近時でよいか、また、目的地外への着陸、飛行経
路及び高度の逸脱等のヒヤリハットを入れるべきかについて検討する必要があるのではないか。
(2)事故報告や飛行計画の通報の他に法令等に規定するべき事項がないかを、諸外国・他モードとの比較やユーザーへの負担を考慮しつつ整理する必要。
(3)事業を行う者が行う飛行であるか否かで規制内容を区別する必要があるか検討。

5. 民間能力の活用

<共通認識>

(1) 利用者利便及び行政コストの効率的使用の観点から、可能な限り民間能力を活用できる仕組みを構築する必要がある。

<今後検討すべき論点>

(1)機体認証・技能証明の制度の内容を踏まえ、講習、試験、検査等民間能力の活用可能な具体の業務の範囲を整理すべきではないか。
(2)権限を国から機関に移管することが団体の能力の観点から可能か検討する必要があるのではないか。
(3)民間能力の活用に係る具体的なスキーム(活用する民間機関の基準、国にかわる報告徴収・立入検査等の指導監督のあり方等)はどのようにあるべきかを検討する必要があるのではないか。

(2020.9.17)

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