千葉県君津市が計画しているドローンを用いた橋の法定点検(近接目視なし)に関する実証実験

前に取り上げたようにインフラの老朽化による地方自治体における点検コストの負担・人手不足を背景に、定期点検(道路法施行規則4条の5の6)の方法を定めた定期点検要領の改訂がなされ、近接目視を補完・代替するドローン点検の検討が各地で進んでいます。

千葉県君津市は、2019年7月に、市内の橋の法定点検に、4Kカメラ搭載のドローンを使う実証実験を始めるとのことです。

2019年6月4日の日経新聞が報じています。

2019年2月に改訂された道路橋定期点検要領においては、法定点検は、①「近接目視」が原則とされ、依然として近接目視を前提とした記載が多いですが、下記の規定からは、実際に近接目視が行われなくとも、②「近接目視と同等の診断を行うことができる情報が得られると判断した方法」を行えば足りると読めます。

4.状態の把握

健全性の診断の根拠となる状態の把握は、近接目視により行うことを基本とする。

【法令運用上の留意事項】

定期点検を行う者は、健全性の診断の根拠となる道路橋の現在の状態を、近接目視により把握するか、または、自らの近接目視によるときと同等の健全性の診断を行うことができる情報が得られると判断した方法により把握しなければならない。

道路橋の健全性の診断を適切に行うために、法令では、定期点検を行う者が、道路橋の外観性状を十分に把握できる距離まで近接し、目視することが基本とされている。これに限らず、道路橋の健全性の診断を適切に行うために、または、定期点検の目的に照らして必要があれば、打音や触診等の手段を併用することが求められる。

一方で、健全性の診断のために必要とされる近接の程度や打音や触診などのその他の方法を併用する必要性については,構造物の特性、周辺部材の状態、想定される変状の要因や現象、環境条件、周辺条件などによっても異なる。したがって、一概にこれを定めることはできず、定期点検を行う者が橋毎に判断することとなる。

君津市は、今回のドローン点検が、②に該当するという判断のもと、近接目視による点検を行わない方針のようです。すなわち、ドローン点検を、近接目視を補完するものではなく、代替するものとして利用する点が新しいと思います。

君津市内の20箇所の橋で実験をするようですが、点検内容が近接目視以上のものであることが実証されれば、今後、この運用が全国に広がり、点検用ドローンが一層普及することが予想されます。

また、このような形で導入されるドローンは、前にとりあげた総務省による地方公共団体に対する特別交付税の対象にもなり得るように思われ、この観点からも経済的メリットがありそうです。

2019年5月8日の毎日新聞は、総務省が、地方公共団体に、特別交付税の制度を以てインフラ施設の保守点検のためのドローンの導入を促していると報じています。

(2019.6.8)

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