前の記事のとおり、ISOのドローン国際標準規格(ISO/TC20/SC16)の策定作業が進められており、その一部について草案が公表されています。
本日現在で公表されているのは、「Unmanned aircraft systems–Part 3: Operational procedures」(無人航空機–第3部: 運航手順)という部分です。
全部で11の条文で構成されています。A4で20頁程度です。
<全体像>
1条: Scope/規制の範囲
2条
~4条: 定義規定等5条: Safety Management System/安全管理システム
6条: Data Protection/データの保護
7条: Operator/オペレーター
8条: Airspace/空域
9条: Facilities and Equipment/装備
10条: Operation/オペレーション
11条: Maintenance/メンテナンス
いずれも簡潔で、解釈・運用に一定の幅を持たせる内容になっています。オペレーターが属する国の法律・規則がある場合には、一次的にはそれに従うという形の規定も見られます。
何回かに分けて整理してみるつもりです。今回は、1条と5条についてです。
<Scope/規制の範囲(1条)>
●この規制の目的は、産業用無人航空機を安全に運航するための要件を定めることにあるとされています。
<Safety Management System/安全管理システム(5条)>
オペレーターは、Safety Management System(SMS)を実行しなければならない。
※「Unmanned Aircraft System(UAS)の種類・オペレーションの規模とは関係なく」「標準プラクティスとして」実行することを要するとされています。
1 SMSの要件(5.1):
SMSの要件として、以下の4つを列挙しています。
①Safety policy(安全ポリシー): 人為ミスの防止
②Safety Risk Management(SRM): リスクコントロールを高めるための、タスク分析、危険の特定、リスク分析、リスク評価
③Safety assurance(安全確認): リスクコントロールを有効にするための、モニタリング、評価、是正するためのシステム提供
④Safety promotion: 安全を促進するための訓練・コミュニケーションに関する基準
※いずれも簡潔な規定にとどまっています。各国のオペレーターが具体的内容を決定するものとされています(=Operators should determine what evidence of SMS copliance is acceptable to the countries of intended operation)。
2 セキュリティ(5.2)
オペレーターは、
①権限のない者が無人航空機を操作できないよう、物理的安全を確保する。
②無人航空機にアクセスできる者を適切に審査する。
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