伊那市におけるドローン物流網の構築プロジェクト

8月30日付で、長野県伊那市が、KDDIとゼンリンと共に、ドローン物流網に関する実証を行うことを発表しました。日経新聞でも紹介されています。2つのプロジェクトで構成されているようです。

8月30日付日本経済新聞(抜粋)

長野県伊那市は30日、KDDI、ゼンリンと組み、ドローンを使った物流の事業化を目指した実証プロジェクトを始めると発表した。両社の知見を合わせて、物流ルートや新しいビジネスモデルを検証する。

地方では今後、人口減少などで物流や交通機能の維持が難しくなる。地方の消費者にも安定して日用品などが届く仕組みの構築を目指す。KDDIはドローンの飛行実験で豊富な実績を持つ。ゼンリンは地図情報のほか、ドローンの航行を管理するノウハウを蓄積してきた。

今回のプロジェクトは2つの事業からなる。「空飛ぶデリバリーサービス構築事業」では、山間部でのドローンを使った商品配達という具体的なビジネスモデルの構築を目指す。地元のスーパーやケーブルテレビ会社とも協力し、商品の受発注の仕組みなども作る。「INAドローン アクア・スカイウェイ事業」では、伊那市を流れる天竜川と三峰川の上空域を航路として、市の中心部と山間部を結ぶ長距離物流路の形成を目指す。2019年度に実証を開始し、21年度中の事業化を目指す。

上記伊那市のプレスリリースによれば、

「空飛ぶデリバリーサービス構築事業」は、「道の駅「南アルプスむら長谷」を拠点に、中山間地域内におけるドローンを活用した荷物配送の仕組みを構築する事業」であり、

「INAドローン アクア・スカイウェイ事業」は、文字通り、「河川上空域をドローンの目視外自律飛行ルートとし、中心市街地と中山間地域を結ぶ新たな物流の仕組みを構築する事業であり、約20Kmにわたる河川上空に特化したドローンの幹線空路の開設及び効率的かつ高度なロジスティクス」

とのことです。

先日まとめた東電・ゼンリン・楽天のプロジェクトと同様、ドローンハイウェイの実証プロジェクトといえそうです。土地利用規制との関係では、それぞれ以下の点に特色があるといえるでしょうか。

東電等のPJ 伊那市等のPJ
航路 鉄柱・送電線付近の上空 山間・河川上空
エリア 東電管内 伊那市内

伊那市のプロジェクトのように、過疎化・高齢化対策を目的とした、地方自治体主導の同種のプロジェクトが今後も出てくるように予想します。

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