各国企業によるドローン物流ビジネスの現状

2018年10月27日のEconomistの記事「Pies in the sky」は、各国企業によるドローン物流ビジネスに関する特集です。周知の内容も多いですが、よく整理されていました。詳細な記事ですが、ポイントは以下のとおり。

①10年前に登場した小型ドローンは、測量、空撮等の分野では、日常的に用いられている。他方、薬やファーストフードの配達については、2013年のAmazonの発表があり、デモンストレーションフライトは行われているものの、それほど多く実現している訳ではない。

②これは技術が原因というよりも、規制によるところが大きい。特に、目視外飛行、第三者上空飛行等が厳しく制限されていることによる。

③もっとも、オペレーターが経験を積み、安全性が向上するにつれ、各国において規制が緩和してきた。

④アイスランドでは、ahaとFlytrex(イスラエル)が当局の理解を得てドローン配送サービスが実施されている。固定ルートからスタートしtたものの、より規制が緩和され、一定の条件で、顧客の庭への配送も可能になっている。

⑤米国では、FlytrexとUberがサービスを開始する予定である。

⑥シンガポールでは、エアバスが、停泊している船舶への補給のための輸送を開始する予定である。

⑦中国では、アリババが、上海の工業団地を横断する複数のルートでドローン輸送を実施しており、今後も拡大予定である。

⑧いずれも、当初の想定と異なり、都市の人口密集地で実施されている訳ではない。高層ビルの立ち並ぶ都市では飛行制限があり、フードデリバリーをするにしても、着陸が難しい。飛行距離も短く、他の輸送手段の方が効率的である。アイスランドのレイキャビックのケースは、低層区域で、平均して7kmの輸送距離である。

⑨タンザニアやルワンダでは、医療品・血液等の長距離輸送が実現している。タンザニアで用いられるWingcopter製のものはtilt- roterタイプで、ルワンダのZipline製のものは垂直離着陸を行わない小型飛行機である。

⑩ドローンの安全性は向上しており、空港等の危険地域に立ち入らせないシステムが実現している。衝突開発システムは開発途上にある。今後、都市部を安全に飛行するドローンが登場する。

日本の現状と比較すると、上記③をはじめ類似するところもあり、面白いです。日本でも、過疎地や離島等においてドローンの物流は有効であり、政府の後押しもあり、実証実験が進み、福島では日本郵便による活用が開始しています。

都市部での利活用については、上記⑧と同じような議論があります。

もっとも、⑩で指摘するように今後技術が進化し、日本では人手不足の問題もある以上、都市中心部は難しいかもしれませんが、市街地やその郊外で実現する可能性もあるように思います。

 

 

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