航空法改正法案(ドローン関連部分)の検討

2021年3月9日に閣議決定され、国会に提出された航空法改正法案の全文は衆議院のHPに掲載されています

末尾に、改正の理由については、以下のようにまとめられています(赤字がドローン関連)。

最近における航空輸送及び無人航空機をめぐる状況に鑑み、航空機の航行の安全及び無人航空機の飛行の安全並びに航空運送事業の利用者の利便の確保を一層推進するため、国土交通大臣による航空運送事業の基盤強化に関する方針の策定及び必要な支援の実施、危険物等所持制限区域に立ち入る旅客等に対する保安検査の受検の義務付け、無人航空機の機体の安全性の確保及び操縦を行おうとする者について行う技能証明に係る制度の創設、運輸安全委員会による無人航空機に係る事故等の原因を究明するための調査の実施等の措置を講ずる必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

無人航空機関係の改正条文を検討したものを、備忘的にまとめました(赤字が筆者がハイライトした部分、青字がコメントです)。

昨年の法改正(ドローンの登録制度の導入)がまだ施行されていないところに、今回の大きな改正が加わり、条文が入り組んで、分かり難いです。国交省が出している新旧対照条文と併せて読むとより分かり易くなります。

国会での審議(そろそろ始まる予定のようです)等踏まえ、都度、更新する予定です。

(2021. 5.10)


第二〇四回 閣第六〇号

航空法等の一部を改正する法律案

 (航空法の一部改正)

第一条 航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)の一部を次のように改正する。

(略)

[注: 有人航空機に関する改正のため省略]

第二条 航空法の一部を次のように改正する。

  目次中「第百三十一条の三-第百三十一条の十四」を「第百三十二条-第百三十二条の十二」に、「第二節 無人航空機の飛行(第百三十二条-第百三十二条の三)」を

第二節 無人航空機の安全性
 第一款 機体認証等(第百三十二条の十三-第百三十二条の二十三)
 第二款 登録検査機関(第百三十二条の二十四-第百三十二条の三十九)
第三節 無人航空機操縦者技能証明等
 第一款 無人航空機操縦者技能証明(第百三十二条の四十-第百三十二条の五十五)
 第二款 無人航空機操縦士試験機関(第百三十二条の五十六-第百三十二条の六十八)
 第三款 登録講習機関等(第百三十二条の六十九-第百三十二条の八十四)
第四節 無人航空機の飛行(第百三十二条の八十五-第百三十二条の九十二)

 に、「第百六十二条」を「第百六十三条」に改める。[注:  昨年の法改正により導入された登録制度は131条の3~14に規定されていましたが、132条~132条の13にスライドすることになりました。無人航空機の規定は、第1節(無人航空機の登録)、第2節(無人航空機の安全性)、第3節(無人航空機操縦者技能証明等)、第4節(無人航空機の飛行)までの4節構成となり(第2節と第3節が新設)、条数は、132条から132条の92までとなり、大幅に増加し、航空法の中でも相当の割合を占める規定になります。]

  第一条中「図ること等」を「図り、あわせて無人航空機の飛行における遵守事項等を定めてその飛行の安全の確保を図ること」に改める。

  第十三条の四中「航空事故等(」を削り、「をいう」を「(航空機に係るものに限る」に改める。

  第二十二条及び第二十三条中「以下」の下に「この章、第六章及び第八章において」を加える。

  第百三十二条の三中「第百三十二条及び前条(第一項第一号から第四号までに係る部分を除く。)」を「第百三十二条の八十五、第百三十二条の八十六(第一項を除く。)及び第百三十二条の八十七から第百三十二条の八十九まで」に改め、第十章第二節中同条を第百三十二条の九十二とする。

  第百三十二条の二第一項第五号から第十号までを削り、同条第二項を次のように改める。

 2 無人航空機を飛行させる者は、技能証明を受けた者が機体認証を受けた無人航空機を飛行させる場合(立入管理措置を講ずることなく無人航空機を飛行させるときは、一等無人航空機操縦士の技能証明を受けた者が第一種機体認証を受けた無人航空機を飛行させる場合に限る。)を除き、次に掲げる方法により、これを飛行させなければならない。

[注: 「立入管理措置を講ずることなく無人航空機を飛行させる」とは、今まで飛行が許容されていなかった、第三者上空の飛行(レベル4・カテゴリーIII)を意味します。

本項(132条の86、第2項)では、下記①②の飛行に関して、それぞれ下記の技能証明と機体認証が必要であることが原則(但し、後述のとおり例外あり)であるとしています。

①「立入管理措置無」⁺下記1号~6号の特定飛行:  1等技能・1種機体認証に限る

②「立入管理措置有」⁺下記1~6号の特定飛行:     2等技能・2種機体認証

※条文上の対応関係は上記のとおりと思われます(132条の13、132条の42参照)。1等技能・1種機体認証を取得すると、「立入管理措置有」の場合の技能証明・機体認証である2等・2種を兼ねることができるとは明確には書かれていないように思いますが、航空局に聞いたところ、兼ねることができる想定のようです。

※「特定飛行」は、132条の87に定義されています。空域と飛行方法に関して航空法が規制する飛行といえます。]

一 日出から日没までの間において飛行させること。

  二 当該無人航空機及びその周囲の状況を目視により常時監視して飛行させること。

  三 当該無人航空機と地上又は水上の人又は物件との間に国土交通省令で定める距離を保つて飛行させること。

  四 祭礼、縁日、展示会その他の多数の者の集合する催しが行われている場所の上空以外の空域において飛行させること。

  五 当該無人航空機により爆発性又は易燃性を有する物件その他人に危害を与え、又は他の物件を損傷するおそれがある物件で国土交通省令で定めるものを輸送しないこと。

  六 地上又は水上の人又は物件に危害を与え、又は損傷を及ぼすおそれがないものとして国土交通省令で定める場合を除き、当該無人航空機から物件を投下しないこと。

[注: 上記1~6号の内容・項目については変わっていません。]

  第百三十二条の二に次の三項を加える。

 3 前項に規定する場合において、同項各号に掲げる方法のいずれか(立入管理措置を講じた上で無人航空機(国土交通省令で定める総重量を超えるものを除く。)を飛行させる場合にあつては、同項第四号から第六号までに掲げる方法のいずれか)によらずに無人航空機を飛行させる者は、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ、その運航の管理が適切に行われることについて国土交通大臣の承認を受けて、その承認を受けたところに従い、これを飛行させなければならない。

【注: この3項は、2項を踏まえた複数のルールが詰まった規定です。以下のように整理できると思います。

①「立入管理措置無」飛行の場合:    1~6号の特定飛行に関して要承認

※上記2項により「立入管理措置無」飛行は、1等+1種の場合にしか認められない。

②「機体が規則で定めた総重量制限を超えない場合」+「立入管理措置有」:  4~6号の特定飛行に関して要承認、1~3号の特定飛行に関しては承認不要

※飛行方法の制限に関して、1~3号の規制と、4~6号の規制の差別化(前者の規制を緩和)している点、新しい規律です。

③「機体が規則で定めた総重量制限を超える場合(+「立入管理措置有」)」:  1~6号の特定飛行に関して要承認

※総重量制限については、国土交通省令で定められることになります。今の審査要領上は、総重量25kgが分水嶺になっています。

 4 第二項に規定する場合において、立入管理措置を講じた上で同項第一号から第三号までに掲げる方法のいずれかによらずに無人航空機(国土交通省令で定める総重量を超えるものを除く。)を飛行させる者は、航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全を確保するために必要なものとして国土交通省令で定める措置を講じなければならない。

【注: 技能証明・機体証明(2等・2種が想定)「機体が規則で定めた総重量制限を超えない場合」+「立入管理措置有」の場合で、2項1~3号に関する特定飛行(夜間・目視外・30m内)を行う場合、上記のとおり、国土交通大臣の承諾が不要になります。その場合でも、(承諾不要となる代わりに)国土交通省令で定める安全措置を講じる義務があるとされています。】

 5 前三項の規定は、次の各号のいずれかに該当する場合には、適用しない。

  一 係留することにより無人航空機の飛行の範囲を制限した上で行う飛行その他の航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全を確保することができるものとして国土交通省令で定める方法による飛行を行う場合【注:  係留した上で、国土交通省令で定める要件に従って飛行する場合には、技能証明・機体証明、承諾取得も不要ということになります。前から言及のあった点ですが、今回、新しく明文化される緩和措置です。】

  二 前号に掲げるもののほか、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ、第二項各号に掲げる方法のいずれかによらずに無人航空機を飛行させることが航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全を損なうおそれがないことについて国土交通大臣の承認を受けて、その承認を受けたところに従い、これを飛行させる場合【注:  技能証明・機体証明を取得しなくとも、国土交通大臣の承諾を取得すれば、上記1~6号の飛行を行うことができるというルールで、(技能証明・機体証明取得といった手続を経ずに)従前どおりに飛行させたいユーザーの権利に配慮した規定とされます。この場合、現在の審査要領のルール水準に沿って承諾を取得する形になると予想されます。第三者上空飛行の場合には使えない手続です。】

  第百三十二条の二を第百三十二条の八十六とし、同条の次に次の三条、見出し及び二条を加える。【注: ドローンの飛行方法の制限に関する132条の2は、上記のとおり改正のうえ、132条の85にスライドすることになります。】

  (第三者が立ち入つた場合の措置)

 第百三十二条の八十七 無人航空機を飛行させる者は、第百三十二条の八十五第一項各号に掲げる空域における飛行又は前条第二項各号に掲げる方法のいずれかによらない飛行(以下「特定飛行」という。)を行う場合(立入管理措置を講ずることなく飛行を行う場合を除く。)において、当該特定飛行中の無人航空機の下に人の立入り又はそのおそれのあることを確認したときは、直ちに当該無人航空機の飛行を停止し、飛行経路の変更、航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全を損なうおそれがない場所への着陸その他の必要な措置を講じなければならない。【注:  立入管理措置有の飛行の場合は、第三者上空を認める飛行ではないことから、第三者の立入り又は恐れがある場合には、ドローンの飛行停止等必要な措置を講じる義務があるとされています。今回の改正により、立入管理措置無の飛行を許容したことに伴い必要になった規定とも言えます。本条に、「特定飛行」が定義されています。】

  (飛行計画)

 第百三十二条の八十八 無人航空機を飛行させる者は、特定飛行を行う場合には、あらかじめ、当該特定飛行の日時、経路その他国土交通省令で定める事項を記載した飛行計画を国土交通大臣に通報しなければならない。ただし、あらかじめ飛行計画を通報することが困難な場合として国土交通省令で定める場合には、特定飛行を開始した後でも、国土交通大臣に飛行計画を通報することができる。【注:  技能証明・機体証明・許可・承諾取得の有無とは関係なく、特定飛行の場合には、飛行計画の事前通報義務が課せられ、飛行計画に基づき飛行することが義務づけられることになりました。飛行計画の記載事項は国土交通省令で定められます。】

 2 国土交通大臣は、前項の規定により通報された飛行計画に従い無人航空機を飛行させることが航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全を損なうおそれがあると認める場合には、無人航空機を飛行させる者に対して、特定飛行の日時又は経路の変更その他の必要な措置を講ずべきことを指示することができる。

 3 第一項の規定により飛行計画を通報した無人航空機を飛行させる者は、前項に規定する国土交通大臣の指示に従うほか、飛行計画に従つて特定飛行を行わなければならない。ただし、航空機の航行の安全又は地上若しくは水上の人若しくは物件の安全を確保するためにやむを得ない場合は、この限りでない。

  (飛行日誌)

 第百三十二条の八十九 無人航空機を飛行させる者は、特定飛行を行う場合には、飛行日誌を備えなければならない。

 2 特定飛行を行う者は、無人航空機を航空の用に供し、又は整備し、若しくは改造した場合には、遅滞なく飛行日誌に国土交通省令で定める事項を記載しなければならない。【注:  技能証明・機体証明・許可・承諾取得の有無とは関係なく、特定飛行の場合には、飛行日誌の備置義務が課せられることになりました。飛行日誌の記載事項は国土交通省令で定められます。】

  (事故等の場合の措置)

 第百三十二条の九十 次に掲げる無人航空機に関する事故が発生した場合には、当該無人航空機を飛行させる者は、直ちに当該無人航空機の飛行を中止し、負傷者を救護することその他の危険を防止するために必要な措置を講じなければならない。【注:  ドローンに関する重大事故発生時における必要措置・報告義務が新たに規定されています。]

  一 無人航空機による人の死傷又は物件の損壊

  二 航空機との衝突又は接触

  三 その他国土交通省令で定める無人航空機に関する事故

 2 前項各号に掲げる事故が発生した場合には、当該無人航空機を飛行させる者は、当該事故が発生した日時及び場所その他国土交通省令で定める事項国土交通大臣に報告しなければならない。

 第百三十二条の九十一 無人航空機を飛行させる者は、飛行中航空機との衝突又は接触のおそれがあつたと認めたときその他前条第一項各号に掲げる事故が発生するおそれがあると認められる国土交通省令で定める事態が発生したと認めたときは国土交通省令で定めるところにより国土交通大臣にその旨を報告しなければならない。【注: 飛行機とのニアミスなど事故の「おそれ」の場合の報告義務も新たに規定されています。】

  第百三十二条第一項中「おいては」の下に「、技能証明を受けた者が機体認証を受けた無人航空機を飛行させる場合立入管理措置無人航空機の飛行経路下において無人航空機を飛行させる者及びこれを補助する者以外の者の立入りを管理する措置であつて国土交通省令で定めるものをいう以下同じ。)を講ずることなく無人航空機を飛行させるときは、一等無人航空機操縦士の技能証明を受けた者が第一種機体認証を受けた無人航空機を飛行させる場合に限る。)でなければ」を加え、同条第二項を次のように改める。【注: ここからは飛行の禁止空域に関する改正法です。立入管理措置に関する定義が規定されています。】

【注: 132条の85、第1項)では、下記①②の飛行に関して、それぞれ下記の技能証明と機体認証が必要であることが原則(但し、後述のとおり例外あり)であるとしています。

①「立入管理措置無」⁺1項1号の空域(航空機の航行の安全に影響を及ぼすおそれがある地域)・2号の空域(人口密集地)における特定飛行:  1等技能+1種機体認証

②「立入管理措置有」⁺上記の特定飛行:     2等技能+2種機体認証】

 2 何人も、前項第一号の空域又は同項第二号の空域(立入管理措置を講ずることなく無人航空機を飛行させる場合又は立入管理措置を講じた上で国土交通省令で定める総重量を超える無人航空機を飛行させる場合に限る。)においては、同項に規定する場合に該当し、かつ、国土交通大臣がその運航の管理が適切に行われるものと認めて許可した場合でなければ、無人航空機を飛行させてはならない。

【注: 1項(特定飛行時における機体証明・技能証明の必要性の原則)を踏まえた、この規定は以下のように整理されると思います。1号空域飛行と2号空域飛行の規律を差別化(後者の規律の緩和)している点は新しい考え方です。

①「立入管理措置無」飛行の場合(1等・1種に限る):  1号空域・2号空域の特定飛行に関して要許可

※上記1項により「立入管理措置無」飛行は、1等・1種の場合にしか認められない。

②「機体が規則で定めた総重量制限を超える場合」+「立入管理措置有」:  1号空域・2号空域の特定飛行に関して要許可

③「機体が規則で定めた総重量制限を超えない場合」+「立入管理措置有」」:  2号空域の特定飛行に関して許可不要

  第百三十二条に次の二項を加える。

 3 第一項に規定する場合において、立入管理措置を講じた上で同項第二号の空域において無人航空機(国土交通省令で定める総重量を超えるものを除く。)を飛行させる者は、航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全を確保するために必要なものとして国土交通省令で定める措置を講じなければならない。【注: 上記のとおり、技能証明・機体証明(2等・2種が想定)「機体が規則で定めた総重量制限を超えない場合」+「立入管理措置有」の場合で、2号空域の特定飛行を行う場合、上記のとおり、国土交通大臣の許可が不要になります。その場合でも、(承諾不要となる代わりに)国土交通省令で定める安全措置を講じる義務があるとされています。】

 4 前三項の規定は、次の各号のいずれかに該当する場合には、適用しない。

  一 係留することにより無人航空機の飛行の範囲を制限した上で行う飛行その他の航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全を確保することができるものとして国土交通省令で定める方法による飛行を行う場合【注:  係留した上で、国土交通省令で定める要件に従って飛行する場合には、技能証明・機体証明、許可取得も不要ということになります。新しく明文化される緩和措置です。】

  二 前号に掲げるもののほか、国土交通大臣がその飛行により航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全が損なわれるおそれがないと認めて許可した場合【注:  技能証明・機体証明を取得しなくとも、国土交通大臣の許可を取得すれば、1号空域、2号空域の特定飛行を行うことができるというルールで、(技能証明・機体証明取得といった手続を経ずに)従前どおりに飛行させたいユーザーの権利に配慮した規定とされます。現在の審査要領のルール水準に沿って許可を取得する形になると予想されます。第三者上空飛行の場合には使えない手続です。】

  第百三十二条を第百三十二条の八十五とする。【注: ドローンの飛行空域の制限に関する132条は、上記のとおり改正のうえ、132条の85にスライドすることになります。】

  第十章第二節を同章第四節とする。

  第十章第一節中第百三十一条の十四を第百三十二条の十二とし、同節の次に次の二節を加える。

     第二節 無人航空機の安全性

      第一款 機体認証等

  (機体認証)

 第百三十二条の十三 国土交通大臣は、申請により、無人航空機について機体認証を行う。

 2 前項の機体認証(以下単に「機体認証」という。)は、次の各号に掲げる認証の区分に応じ、当該各号に定める飛行を行うことを目的とする無人航空機について行う。

  一 第一種機体認証 第百三十二条の八十五第一項に規定する立入管理措置を講ずることなく行う第百三十二条の八十七に規定する特定飛行

  二 第二種機体認証 第百三十二条の八十五第一項に規定する立入管理措置を講じた上で行う第百三十二条の八十七に規定する特定飛行

【注: 新しい制度です。機体認証は、飛行目的の相違(立入管理措置無飛行か、立入管理措置有飛行)によって、1種・2種に分かれます。前述のとおり、1種が2種を兼ねることができるとは明確に書かれていないように思いますが、航空局に聞いたところ、兼ねることができるようです。】

 3 国土交通大臣は、機体認証を行うときは、当該機体認証に係る無人航空機の使用の条件を、国土交通省令で定めるところにより指定する。

 4 国土交通大臣は、第一項の申請があつたときは、当該無人航空機が国土交通省令で定める安全性を確保するための強度、構造及び性能についての基準(以下「安全基準」という。)に適合するかどうかを設計、製造過程及び現状について検査し、安全基準に適合すると認めるときは、機体認証をしなければならない。【注: 機体認証は、検査の結果、機体が安全基準に適合することを認証するものを意味することになります。法律の立付としては、有人航空機の耐空証明(10条以下)を参考にした制度のように思われます。耐空証明にある国籍要件(10条2項)はありません】

 5 前項の規定にかかわらず、国土交通大臣は、次に掲げる無人航空機については、第一種機体認証に係る同項の検査の一部を行わないことができる

  一 第百三十二条の十六第二項第一号の第一種型式認証を受けた型式の無人航空機(初めて第一種機体認証を受けようとするものに限る。)

  二 第一種機体認証を受けたことのある無人航空機

 6 第四項の規定にかかわらず、国土交通大臣は、次に掲げる無人航空機については、第二種機体認証に係る同項の検査の全部又は一部を行わないことができる。

  一 第百三十二条の十六第二項第二号の第二種型式認証を受けた型式の無人航空機(初めて第二種機体認証を受けようとするものに限る。)

  二 第二種機体認証を受けたことのある無人航空機

【注:  後述の型式認証を受けることの効果として、初回の機体認証の検査の一部が免除されるという点が挙げられます(但し、全部は免除されません)。】

 7 機体認証は、申請者に機体認証書を交付することによつて行う。

 8 国土交通大臣は、機体認証を行つたときは、当該無人航空機に国土交通省令で定める表示を付さなければならない。ただし、国土交通省令で定めるところにより当該無人航空機が機体認証を受けたことを識別するための措置が講じられる場合には、この限りでない。注:  機体認証の表示は国土交通大臣が行います。実際にどのような形で行われるのかという点や、但書の意味はあまり明らかではないような気がします。国土交通省令を見る必要がありそうです。】

 9 何人も、前項の規定により表示を付する場合を除くほか、無人航空機に同項の表示又はこれと紛らわしい表示を付してはならない。

 10 国土交通大臣は、機体認証の有効期間を定めるものとする。

  (機体認証を受けた無人航空機を飛行させる者等の義務)

 第百三十二条の十四 機体認証を受けた無人航空機を飛行させる者は、前条第三項の規定により指定された使用の条件(次条第二項の規定により変更された場合にあつては、その変更後の条件)の範囲内でなければ、第百三十二条の八十七に規定する特定飛行を行つてはならない。ただし、第百三十二条の八十五第四項及び第百三十二条の八十六第五項に該当する場合は、この限りでない。

 2 機体認証を受けた無人航空機の使用者は、必要な整備をすることにより、当該無人航空機を安全基準に適合するように維持しなければならない。

  (整備命令、機体認証の効力の停止等)

 第百三十二条の十五 国土交通大臣は、機体認証を受けた無人航空機が安全基準に適合せず、又は第百三十二条の十三第十項の有効期間を経過する前に安全基準に適合しなくなるおそれがあると認めるときは、当該無人航空機の使用者に対し、安全基準に適合させるため、又は安全基準に適合しなくなるおそれをなくするために必要な整備その他の措置を講ずべきことを命ずることができる。

 2 国土交通大臣は、機体認証を受けた無人航空機が安全基準に適合せず、又は第百三十二条の十三第十項の有効期間を経過する前に安全基準に適合しなくなるおそれがあると認めるとき、その他無人航空機の安全性が確保されないと認めるときは、当該無人航空機の機体認証の効力を停止し、その有効期間を短縮し、又は第百三十二条の十三第三項の規定により指定した使用の条件を変更することができる。

  (型式認証)

 第百三十二条の十六 国土交通大臣は、申請により、無人航空機の型式の設計及び製造過程について型式認証を行う。【注:  法律の立付としては、有人航空機の型式証明(12条)を参考にした制度のように思えます。】

 2 前項の型式認証(以下単に「型式認証」という。)は、次の各号に掲げる認証の区分に応じ、当該各号に定める飛行に資することを目的とする無人航空機の型式について行う。【注: 型式認証の種類は、機体認証の種類に対応しています。】

  一 第一種型式認証 第百三十二条の八十五第一項に規定する立入管理措置を講ずることなく行う第百三十二条の八十七に規定する特定飛行

  二 第二種型式認証 第百三十二条の八十五第一項に規定する立入管理措置を講じた上で行う第百三十二条の八十七に規定する特定飛行

 3 国土交通大臣は、第一項の申請があつたときは、その申請に係る型式の無人航空機が安全基準及び均一性を確保するために必要なものとして国土交通省令で定める基準(以下「均一性基準」という。)に適合することとなると認めるときは、型式認証をしなければならない。【注: 型式認証は、均一性基準に適合することの認証ということになります。]

 4 型式認証は、申請者に型式認証書を交付することによつて行う。

 5 国土交通大臣は、型式認証をするときは、あらかじめ、経済産業大臣の意見を聴かなければならない。【注: 有人航空機の型式証明に関する12条4項と同じ規定です。】

 6 国土交通大臣は、型式認証の有効期間を定めるものとする。

  (設計又は製造過程の変更の承認)

 第百三十二条の十七 型式認証を受けた者は、当該型式の無人航空機の設計又は製造過程の変更をしようとするときは、国土交通大臣の承認を受けなければならない。安全基準又は均一性基準の変更があつた場合において、型式認証を受けた型式の無人航空機が安全基準又は均一性基準に適合しなくなつたことにより当該型式の無人航空機の設計又は製造過程を変更しようとするときも、同様とする。

 2 国土交通大臣は、前項の承認の申請があつたときは、当該申請に係る設計又は製造過程の変更後の型式の無人航空機が安全基準及び均一性基準に適合することとなると認めるときは、その承認をしなければならない。

 3 前条第五項の規定は、国土交通大臣が第一項の承認をしようとする場合に準用する。

  (無人航空機の製造、検査等)

 第百三十二条の十八 型式認証又は前条第一項の承認(以下「型式認証等」という。)を受けた者は、当該型式認証等を受けた型式の無人航空機の製造をする場合においては、当該無人航空機がその型式認証等に係る型式に適合するようにしなければならない【注: 製造者に関する規律が定められています。】

 2 型式認証等を受けた者は、国土交通省令で定めるところにより、その製造に係る個別の無人航空機について検査を行い、その検査記録を作成し、これを保存しなければならない。

  (表示)

 第百三十二条の十九 型式認証等を受けた者は、型式認証等を受けた型式の無人航空機について、前条第二項の規定による義務を履行したときは、当該無人航空機に国土交通省令で定める表示を付さなければならない。【注: 条文上、表示の対象は、型式認証等を受けたことを前提に、所定の検査済みであることのように思われます。】

 2 何人も、前項の規定により表示を付する場合を除くほか、無人航空機に同項の表示又はこれと紛らわしい表示を付してはならない。

  (情報の提供)

 第百三十二条の二十 型式認証等を受けた者は、国土交通省令で定めるところにより、当該型式認証等を受けた型式の無人航空機の使用者に対し、当該無人航空機の整備をするに当たつて必要となる技術上の情報であつて国土交通省令で定めるものを提供しなければならない。

  (報告の義務)

 第百三十二条の二十一 型式認証等を受けた者は、当該型式認証等を受けた型式の無人航空機について、国土交通省令で定めるところにより、運輸安全委員会設置法第二条第二項に規定する航空事故等(無人航空機に係るものに限る。)その他の無人航空機が安全基準に適合せず、又は安全基準に適合しなくなるおそれがあるものとして国土交通省令で定める事態に関する情報を収集し、国土交通大臣にこれを報告しなければならない。

  (変更命令、型式認証等の取消し)

 第百三十二条の二十二 国土交通大臣は、型式認証等を受けた型式の無人航空機が安全基準又は均一性基準に適合しないと認めるときは、当該型式認証等を受けた者に対し、安全基準又は均一性基準に適合させるために必要な設計又は製造過程の変更を命ずることができる。

 2 国土交通大臣は、型式認証等を受けた者が前項の規定による命令に違反したときは、当該型式認証等を取り消すことができる。

  (国土交通省令への委任)

 第百三十二条の二十三 機体認証書及び型式認証書の様式、交付、再交付及び返納に関する事項その他機体認証及び型式認証の実施細目は、国土交通省令で定める。

      第二款 登録検査機関

  (登録検査機関による無人航空機検査事務の実施)

 第百三十二条の二十四 国土交通大臣は、国土交通省令で定めるところにより、その登録を受けた者(以下「登録検査機関」という。)に、機体認証及び型式認証等に関する国土交通大臣の事務のうち、無人航空機が安全基準に適合するかどうかの検査及び型式認証等を受けようとする型式の無人航空機が均一性基準に適合するかどうかの検査(以下「無人航空機検査」という。)の実施に関する事務(以下「無人航空機検査事務」という。)の全部又は一部を行わせることができる。【注:  機体認証・型式認証の検査の全部又は一部を、登録を受けた検査機関に行わせるための制度に関する規定です。】

  (登録)

 第百三十二条の二十五 前条の登録は、無人航空機検査事務を行おうとする者の申請により行う。

  (登録の要件等)

 第百三十二条の二十六 国土交通大臣は、前条の規定により登録の申請をした者(以下「登録申請者」という。)が次の各号に掲げる要件の全てに適合しているときは、その登録をしなければならない。この場合において、登録に関して必要な手続は、国土交通省令で定める。

  一 無人航空機検査事務を実施する者が、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)に基づく大学若しくは高等専門学校において工学に関する学科その他無人航空機に関する学科を修得して卒業した者(当該学科を修得して同法による専門職大学の前期課程を修了した者を含む。)又はこれと同等以上の学力を有する者であつて、通算して三年以上無人航空機の設計、製造過程及び検査に関する実務の経験を有するものであり、かつ、その人数が二名以上であること。【注:  一定の専門性が要求されています。】

  二 登録申請者が、無人航空機の製造又は輸入を業とする者(以下「無人航空機製造等事業者」という。)に支配されているものとして次のイからハまでのいずれかに該当するものでないこと。【注: 他方、ドローン事業者との強い関わりがある場合を欠格事由としています。】

   イ 登録申請者が株式会社である場合にあつては、無人航空機製造等事業者がその親法人(会社法(平成十七年法律第八十六号)第八百七十九条第一項に規定する親法人をいう。)であること。

   ロ 登録申請者の役員(持分会社(会社法第五百七十五条第一項に規定する持分会社をいう。)にあつては、業務を執行する社員)に占める無人航空機製造等事業者の役員又は職員(過去二年間に当該無人航空機製造等事業者の役員又は職員であつた者を含む。)の割合が二分の一を超えていること。

   ハ 登録申請者(法人にあつては、その代表権を有する役員)が、無人航空機製造等事業者の役員又は職員(過去二年間に当該無人航空機製造等事業者の役員又は職員であつた者を含む。)であること。

 2 国土交通大臣は、登録申請者が、次の各号のいずれかに該当するときは、第百三十二条の二十四の登録をしてはならない。

  一 この法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者

  二 第百三十二条の三十六の規定により第百三十二条の二十四の登録を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない者

  三 法人であつて、その業務を行う役員のうちに前二号のいずれかに該当する者があるもの

 3 第百三十二条の二十四の登録は、登録検査機関登録簿に次に掲げる事項を記載してするものとする。

  一 登録年月日及び登録番号

  二 登録を受けた者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名

  三 登録を受けた者が無人航空機検査事務を実施する事業所の名称及び所在地

  四 前三号に掲げるもののほか、国土交通省令で定める事項

  (登録の更新)

 第百三十二条の二十七 第百三十二条の二十四の登録は、三年以内において政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。

 2 前二条の規定は、前項の登録の更新について準用する。

  (検査の義務)

 第百三十二条の二十八 登録検査機関は、無人航空機検査を実施することを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、無人航空機検査を実施しなければならない。

 2 登録検査機関は、公正に、かつ、国土交通省令で定める基準に適合する方法により無人航空機検査を実施しなければならない。

  (登録事項の変更の届出)

 第百三十二条の二十九 登録検査機関は、第百三十二条の二十六第三項第二号から第四号までに掲げる事項の変更をしようとするときは、その二週間前までに、国土交通大臣に届け出なければならない。

  (無人航空機検査事務規程)

 第百三十二条の三十 登録検査機関は、無人航空機検査事務の開始前に、国土交通省令で定めるところにより、無人航空機検査事務の実施に関する規程(次項、第百三十二条の三十五第二項及び第百三十二条の三十六第二項第二号において「無人航空機検査事務規程」という。)を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

 2 無人航空機検査事務規程には、無人航空機検査の実施方法、無人航空機検査に関する料金の算定方法その他の国土交通省令で定める事項を定めておかなければならない。

  (無人航空機検査事務の休廃止)

 第百三十二条の三十一 登録検査機関は、国土交通大臣の許可を受けなければ、無人航空機検査事務の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。

  (財務諸表等の備付け及び閲覧等)

 第百三十二条の三十二 登録検査機関は、毎事業年度経過後三月以内に、当該事業年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書又は収支計算書並びに事業報告書(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)の作成がされている場合における当該電磁的記録を含む。以下「財務諸表等」という。)を作成し、五年間事業所に備えて置かなければならない。

 2 無人航空機製造等事業者その他の利害関係人は、登録検査機関の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号の請求をするには、登録検査機関の定めた費用を支払わなければならない。

  一 財務諸表等が書面をもつて作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求

  二 前号の書面の謄本又は抄本の請求

  三 財務諸表等が電磁的記録をもつて作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を国土交通省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求

  四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であつて国土交通省令で定めるものにより提供することの請求又は当該事項を記載した書面の交付の請求

  (秘密保持義務等)

 第百三十二条の三十三 登録検査機関の役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、その無人航空機検査事務に関し知り得た秘密を漏らしてはならない【注: 検査を民間等に委託する場合には、技術・ノウハウの流出リスクが問題になります。守秘性が求められています。】

 2 無人航空機検査事務に従事する登録検査機関の役員又は職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす

  (適合命令)

 第百三十二条の三十四 国土交通大臣は、登録検査機関が第百三十二条の二十六第一項各号に掲げる要件のいずれかに適合しなくなつたと認めるときは、当該登録検査機関に対し、当該要件に適合するため必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。

  (改善命令)

 第百三十二条の三十五 国土交通大臣は、登録検査機関が第百三十二条の二十八の規定に違反していると認めるときは、当該登録検査機関に対し、無人航空機検査を実施すべきこと又は無人航空機検査の方法の改善に関し必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。

 2 国土交通大臣は、第百三十二条の三十第一項の認可をした無人航空機検査事務規程が無人航空機検査事務の公正な実施上不適当となつたと認めるときは、当該無人航空機検査事務規程を変更すべきことを命ずることができる。

  (登録の取消し等)

 第百三十二条の三十六 国土交通大臣は、登録検査機関が第百三十二条の二十六第二項第一号又は第三号に該当するに至つたときは、第百三十二条の二十四の登録を取り消さなければならない。

 2 国土交通大臣は、登録検査機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消し、又は期間を定めて無人航空機検査事務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。

  一 第百三十二条の二十九から第百三十二条の三十一まで、第百三十二条の三十二第一項、第百三十二条の三十三第一項又は次条の規定に違反したとき。

  二 第百三十二条の三十第一項の規定により認可を受けた無人航空機検査事務規程によらないで無人航空機検査事務を実施したとき。

  三 正当な理由がないのに第百三十二条の三十二第二項の規定による請求を拒んだとき。

  四 前二条の規定による命令に違反したとき。

  五 不正の手段により第百三十二条の二十四の登録を受けたとき。

  (帳簿の記載)

 第百三十二条の三十七 登録検査機関は、国土交通省令で定めるところにより、無人航空機検査事務に関し国土交通省令で定める事項を帳簿に記載し、これを保存しなければならない。

  (国土交通大臣による無人航空機検査事務の実施等)

 第百三十二条の三十八 国土交通大臣は、登録検査機関が第百三十二条の三十一の許可を受けてその無人航空機検査事務の全部若しくは一部を休止したとき、第百三十二条の三十六第二項の規定により登録検査機関に対し無人航空機検査事務の全部若しくは一部の停止を命じたとき、又は登録検査機関が天災その他の事由によりその無人航空機検査事務の全部若しくは一部を実施することが困難となつた場合において必要があると認めるときは、その無人航空機検査事務の全部又は一部を自ら行うことができる。

 2 国土交通大臣が前項の規定により無人航空機検査事務の全部若しくは一部を自ら行う場合、登録検査機関が第百三十二条の三十一の許可を受けてその無人航空機検査事務の全部若しくは一部を廃止する場合又は国土交通大臣が第百三十二条の三十六の規定により登録を取り消した場合における無人航空機検査事務の引継ぎその他の必要な事項は、国土交通省令で定める。

  (公示)

 第百三十二条の三十九 国土交通大臣は、次に掲げる場合には、その旨を官報に公示しなければならない。

  一 第百三十二条の二十四の登録をしたとき。

  二 第百三十二条の二十九の規定による届出があつたとき。

  三 第百三十二条の三十一の許可をしたとき。

  四 第百三十二条の三十六の規定により登録を取り消し、又は同条第二項の規定により無人航空機検査事務の全部若しくは一部の停止を命じたとき。

  五 前条第一項の規定により国土交通大臣が無人航空機検査事務の全部若しくは一部を自ら行うこととするとき、又は自ら行つていた無人航空機検査事務の全部若しくは一部を行わないこととするとき。

     第三節 無人航空機操縦者技能証明等

      第一款 無人航空機操縦者技能証明

  (技能証明の実施)

 第百三十二条の四十 国土交通大臣は、申請により、無人航空機を飛行させるのに必要な技能に関し、無人航空機操縦者技能証明(以下この章において「技能証明」という。)を行う。【注: 技能証明も新設される制度です。法律の立付としては、有人航空機の航空従事者技能証明(22条以下)を参照していると思われます。】

  (技能証明書)

 第百三十二条の四十一 技能証明は、前条の申請をした者に無人航空機操縦者技能証明書(第百三十二条の五十四及び第百三十二条の五十五において「技能証明書」という。)を交付することによつて行う。

  (資格)

 第百三十二条の四十二 技能証明は、次の各号に掲げる資格の区分に応じ、当該各号に定める無人航空機の飛行に必要な技能について行う。

  一 一等無人航空機操縦士 第百三十二条の八十五第一項に規定する立入管理措置を講ずることなく行う第百三十二条の八十七に規定する特定飛行

  二 二等無人航空機操縦士 第百三十二条の八十五第一項に規定する立入管理措置を講じた上で行う第百三十二条の八十七に規定する特定飛行

【注: 技能証明も、機体認証と同様、 飛行目的の相違(立入管理措置無飛行か、立入管理措置有飛行)によって、1種・2種に分かれます。前述のとおり、1種が2種を兼ねることができるとは明確に書かれていないように思いますが、航空局に聞いたところ、兼ねることができるようです。】

  (技能証明の限定)

 第百三十二条の四十三 国土交通大臣は、技能証明につき、国土交通省令で定めるところにより、無人航空機の種類又は飛行の方法についての限定をすることができる。

 2 前項の限定(以下この節において単に「限定」という。)をされた技能証明を受けた者は、その限定(第百三十二条の五十二第一項の規定により変更された場合にあつては、その変更後の限定)をされた種類の無人航空機又は飛行の方法でなければ、第百三十二条の八十七に規定する特定飛行を行つてはならない。ただし、第百三十二条の八十五第四項及び第百三十二条の八十六第五項に該当する場合は、この限りでない。

  (技能証明の条件)

 第百三十二条の四十四 国土交通大臣は、航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全を確保するため必要があると認めるときは、必要な限度において、技能証明に、その技能証明に係る者の身体の状態に応じ、無人航空機を飛行させるについて必要な条件を付し、及びこれを変更することができる

 2 前項の規定により条件を付された技能証明を受けた者は、その条件の範囲内でなければ、第百三十二条の八十七に規定する特定飛行を行つてはならない。ただし、第百三十二条の八十五第四項及び第百三十二条の八十六第五項に該当する場合は、この限りでない。

  (欠格事由)

 第百三十二条の四十五 次の各号のいずれかに該当する者は、技能証明の申請をすることができない。

  一 十六歳に満たない者

  二 次条第一項ただし書(第一号から第三号までに係る部分を除く。以下この号において同じ。)の規定により技能証明を拒否された日から起算して一年を経過していない者若しくは同項ただし書の規定により技能証明を保留されている者又は同条第三項の規定により技能証明を取り消された日から起算して一年を経過していない者若しくは同項の規定により技能証明の効力を停止されている者

  三 第百三十二条の五十三(第一号から第三号までに係る部分を除く。)の規定により技能証明を取り消された日から起算して二年を経過していない者又は同条の規定により技能証明の効力を停止されている者

  (技能証明の拒否等)

 第百三十二条の四十六 国土交通大臣は、次条第一項の試験に合格した者(当該試験に係る身体検査を受けた日から起算して国土交通省令で定める期間を経過していない者に限る。)に対し、技能証明を行わなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する者については、国土交通省令で定めるところにより、技能証明を行わず、又は六月以内において期間を定めて技能証明を保留することができる。

  一 次に掲げる病気にかかつている者

   イ 幻覚の症状を伴う精神病であつて国土交通省令で定めるもの

   ロ 発作により意識障害又は運動障害をもたらす病気であつて国土交通省令で定めるもの

   ハ イ又はロに掲げるもののほか、無人航空機の飛行に支障を及ぼすおそれがある病気として国土交通省令で定めるもの

  二 アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚醒剤の中毒者

  三 第五項の規定による命令に違反した者

  四 この法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこれらに基づく処分に違反する行為をした者

  五 無人航空機を飛行させるに当たり、非行又は重大な過失があつた者

 2 国土交通大臣は、前項ただし書の規定により技能証明を拒否し、又は保留するときは、当該試験に合格した者に対し、あらかじめ、弁明をなすべき日時、場所及び当該処分をしようとする理由を通知して、当該事案について弁明及び有利な証拠の提出の機会を与えなければならない。

 3 国土交通大臣は、技能証明を与えた後において、当該技能証明を受けた者が当該技能証明を受ける前に第一項第四号又は第五号に該当していたことが判明したときは、国土交通省令で定めるところにより、その者の技能証明を取り消し、又は六月以内において期間を定めて技能証明の効力を停止することができる。

 4 第二項の規定は、前項の規定による処分について準用する。この場合において、第二項中「前項ただし書」とあるのは「次項」と、「拒否し、又は保留するとき」とあるのは「取り消し、又は効力を停止するとき」と読み替えるものとする。

 5 国土交通大臣は、第一項第一号又は第二号に該当することを理由として同項ただし書の規定により技能証明を保留する場合において、必要があると認めるときは、当該処分の際に、その者に対し、国土交通大臣が指定する期日及び場所において身体検査を受け、又は国土交通大臣が指定する期限までに国土交通省令で定める要件を満たす医師の診断書を提出すべき旨を命ずることができる。

  (試験の実施)

 第百三十二条の四十七 国土交通大臣は、技能証明を行う場合には、第百三十二条の四十の申請をした者が、その申請に係る資格について無人航空機を飛行させるのに必要な知識及び能力を有するかどうかを判定するために、試験を行わなければならない

 2 前項の試験は、身体検査、学科試験及び実地試験とする。

 3 学科試験に合格した者でなければ、実地試験を受けることができない

  (臨時身体検査等)

 第百三十二条の四十八 国土交通大臣は、前条第一項の試験に合格した者が第百三十二条の四十六第一項第一号若しくは第二号のいずれかに該当する者であり、又は技能証明を受けた者が第百三十二条の五十三第一号から第三号までのいずれかに該当することとなつたと疑う理由があるときは、当該試験に合格した者又は技能証明を受けた者につき、臨時に身体検査を行うことができる。

 2 国土交通大臣は、前項の規定により身体検査を行う場合は、あらかじめ、身体検査を行う期日、場所その他必要な事項を当該身体検査の対象者に通知しなければならない。

 3 前項の規定により通知を受けた者は、通知された期日に通知された場所に出頭して身体検査を受けなければならない。ただし、当該通知を受けた者が、当該通知された期日までに国土交通省令で定める要件を満たす医師の診断書を提出した場合は、この限りでない。

 4 前三項に定めるもののほか、第一項の規定による身体検査について必要な事項は、国土交通省令で定める。

  (不正受験者の処分)

 第百三十二条の四十九 第百三十二条の四十七第一項の試験に関して不正の行為があるとき又はあつたときは、国土交通大臣は、当該不正行為に関係のある者について、その試験を停止し、又はその合格を無効とすることができる。

 2 前項の場合において、国土交通大臣は、その者について二年以内において期間を定めて第百三十二条の四十七第一項の試験を受けさせないことができる。

  (試験の免除)

 第百三十二条の五十 国土交通大臣は、無人航空機を飛行させる者に対する講習(以下「無人航空機講習」という。)であつて第百三十二条の六十九の規定により国土交通大臣の登録を受けた者(以下「登録講習機関」という。)が行うものを修了した者について技能証明を行う場合には、第百三十二条の四十七の規定にかかわらず、国土交通省令で定めるところにより、学科試験又は実地試験の全部又は一部を行わないことができる。【注:  技能証明を受けるためには、学科試験・実地試験をパスしなければなりませんが、登録講習機関の講習を修了すると、試験の全部又は一部の免除される効果があります。公認のドローンスクールのプログラムを修了するとかかる免除が受けられるという形にして、ドローンの利活用の障害にならないようにしているように思われます】

  (技能証明の有効期間)

 第百三十二条の五十一 技能証明の有効期間は、三年とする

 2 前項の有効期間は、その満了の際、申請により更新することができる

 3 国土交通大臣は、前項の規定による技能証明の有効期間の更新の申請があつた場合には、その者が国土交通省令で定める身体適性に関する基準を満たし、かつ、その資格に応じ無人航空機を飛行させるのに必要な事項に関する最新の知識及び能力を習得させるための講習(第百三十二条の八十二及び第百三十二条の八十三において「無人航空機更新講習」という。)であつて第百三十二条の八十二の規定により国土交通大臣の登録を受けた者(第百三十二条の八十三、第百三十二条の八十四第一項及び第百三十四条第一項第十九号において「登録更新講習機関」という。)が実施するものを修了したと認めるときでなければ、技能証明の有効期間の更新をしてはならない。

  (技能証明の限定の変更)

 第百三十二条の五十二 国土交通大臣は、限定に係る技能証明については、当該技能証明に係る無人航空機を飛行させる者の申請により、当該限定を変更することができる。

 2 第百三十二条の四十七から第百三十二条の五十までの規定は、前項の規定により限定の変更を行う場合について準用する。

  (技能証明の取消し等)

 第百三十二条の五十三 国土交通大臣は、技能証明を受けた者が次の各号のいずれかに該当するときは、その技能証明を取り消し、又は一年以内において期間を定めてその技能証明の効力を停止することができる。

  一 次に掲げる病気にかかつている者であることが判明したとき。

   イ 幻覚の症状を伴う精神病であつて国土交通省令で定めるもの

   ロ 発作により意識障害又は運動障害をもたらす病気であつて国土交通省令で定めるもの

   ハ イ又はロに掲げるもののほか、無人航空機の飛行に支障を及ぼすおそれがある病気として国土交通省令で定めるもの

  二 無人航空機の安全な飛行に支障を及ぼすおそれがある身体の障害として国土交通省令で定めるものが生じている者であることが判明したとき。

  三 アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚醒剤の中毒者であることが判明したとき。

  四 この法律若しくはこの法律に基づく命令の規定又はこれらに基づく処分に違反したとき。

  五 無人航空機を飛行させるに当たり、非行又は重大な過失があつたとき。

  (技能証明書の携帯義務)

 第百三十二条の五十四 技能証明を受けた者は、第百三十二条の八十七に規定する特定飛行を行う場合には、技能証明書を携帯しなければならない。

  (国土交通省令への委任)

 第百三十二条の五十五 技能証明書の様式、交付、再交付及び返納に関する事項その他技能証明に関する細目的事項並びに第百三十二条の四十七第一項(第百三十二条の五十二第二項において準用する場合を含む。)の試験の科目、受験手続その他の試験に関する実施細目は、国土交通省令で定める。

      第二款 無人航空機操縦士試験機関

  (指定試験機関の指定)

 第百三十二条の五十六 国土交通大臣は、申請により指定する者に、第百三十二条の四十七第一項(第百三十二条の五十二第二項において準用する場合を含む。)の試験の実施に関する事務(以下「試験事務」という。)を行わせることができる。

 2 前項の規定による指定(以下この款において単に「指定」という。)を受けた者(以下「指定試験機関」という。)は、試験事務の実施に関し第百三十二条の四十九第一項(第百三十二条の五十二第二項において準用する場合を含む。)に規定する国土交通大臣の職権を行うことができる。

 3 国土交通大臣は、指定試験機関に試験事務を行わせるときは、試験事務を行わないものとする。【注: ドローンパイロットは今後多くなることも予想されるので、技能証明の試験実施を外部委託することが予定されており、そのための制度に関する規定です。ドローンスクールが受け皿になるように思います。】

  (指定の基準)

 第百三十二条の五十七 国土交通大臣は、指定をしようとするときは、指定の申請が次の各号に掲げる基準のいずれにも適合するかどうかを審査して、これをしなければならない。

  一 職員、設備、試験事務の実施の方法その他の事項についての試験事務の実施に関する計画が定められ、かつ、当該計画が試験事務の適正かつ確実な実施に適合したものであること。

  二 前号の計画の適正かつ確実な実施に必要な経理的及び技術的な基礎を有するものであること。

  三 法人にあつては、その役員又は法人の種類に応じて国土交通省令で定める構成員の構成が試験事務の公正な実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。

  四 前号に定めるもののほか、試験事務が不公正になるおそれがないものとして国土交通省令で定める基準に適合するものであること。

  五 その指定をすることによつて指定試験機関の当該申請に係る試験事務の適正かつ確実な実施を阻害することとならないこと。

 2 国土交通大臣は、指定の申請が次の各号のいずれかに該当するときは、指定をしてはならない。

  一 申請者が第百三十二条の六十六第一項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者であること。

  二 法人にあつては、その役員のうちにこの法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者があること。

  (指定の公示等)

 第百三十二条の五十八 国土交通大臣は、指定をしたときは、指定試験機関の名称及び住所、試験事務を行う事務所の所在地並びに試験事務の開始の日を官報で公示しなければならない。

 2 指定試験機関は、その名称若しくは住所又は試験事務を行う事務所の所在地の変更をしようとするときは、その二週間前までに、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。

 3 国土交通大臣は、前項の規定による届出があつたときは、その旨を官報で公示しなければならない。

  (指定の更新)

 第百三十二条の五十九 指定試験機関の指定は、五年以上十年以内において政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。

 2 第百三十二条の五十六及び第百三十二条の五十七の規定は、前項の指定の更新について準用する。

  (無人航空機操縦士試験員)

 第百三十二条の六十 指定試験機関は、試験事務を行う場合において、無人航空機操縦士として必要な知識及び能力を有するかどうかの判定に関する事務については、無人航空機操縦士試験員に行わせなければならない。

 2 指定試験機関は、無人航空機操縦士試験員を国土交通省令で定める要件を備える者のうちから選任しなければならない。

 3 指定試験機関は、無人航空機操縦士試験員を選任したときは、その日から二週間以内に、国土交通大臣にその旨を届け出なければならない。これを変更したときも、同様とする。

 4 国土交通大臣は、無人航空機操縦士試験員が、この法律、この法律に基づく命令若しくは処分若しくは試験事務の実施に関する規程(以下「試験事務規程」という。)に違反する行為をしたとき、又は試験事務に関し著しく不適当な行為をしたときは、指定試験機関に対し、無人航空機操縦士試験員の解任を命ずることができる。

 5 前項の規定による命令により無人航空機操縦士試験員の職を解任され、解任の日から二年を経過しない者は、無人航空機操縦士試験員となることができない。

 6 指定試験機関は、国土交通省令で定めるところにより、無人航空機操縦士試験員に対し、その職務の遂行に必要な研修を実施しなければならない。

  (試験事務規程)

 第百三十二条の六十一 指定試験機関は、試験事務の開始前に、試験事務規程を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

 2 国土交通大臣は、前項の認可をした試験事務規程が試験事務の適正かつ確実な実施上不適当となつたと認めるときは、その試験事務規程を変更すべきことを命ずることができる。

 3 試験事務規程で定めるべき事項は、国土交通省令で定める。

  (予算等の提出)

 第百三十二条の六十二 指定試験機関は、毎事業年度、予算及び事業計画を作成し、当該事業年度の開始前に(指定を受けた日の属する事業年度にあつては、その指定を受けた後遅滞なく)、国土交通大臣に提出しなければならない。これを変更したときも、同様とする。

 2 指定試験機関は、毎事業年度、決算報告書及び事業報告書を作成し、当該事業年度の終了後三月以内に国土交通大臣に提出しなければならない。

  (秘密保持義務等)

 第百三十二条の六十三 試験事務に従事する指定試験機関の役員若しくは職員(無人航空機操縦士試験員を含む。次項において同じ。)又はこれらの職にあつた者は、試験事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。

 2 前項に規定する指定試験機関の役員又は職員は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

  (監督命令)

 第百三十二条の六十四 国土交通大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、指定試験機関に対し、試験事務に関し監督上必要な命令をすることができる。

  (試験事務の休廃止)

 第百三十二条の六十五 指定試験機関は、国土交通大臣の許可を受けなければ、試験事務に関する業務の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。

 2 国土交通大臣は、指定試験機関の試験事務の全部又は一部の休止又は廃止により試験事務の適正かつ確実な実施が損なわれるおそれがないと認めるときでなければ、前項の許可をしてはならない。

 3 国土交通大臣は、第一項の許可をしたときは、その旨を官報で公示しなければならない。

  (指定の取消し等)

 第百三十二条の六十六 国土交通大臣は、指定試験機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その指定を取り消し、又は期間を定めて試験事務に関する業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。

  一 第百三十二条の五十七第一項第一号から第四号までのいずれかに適合しなくなつたと認められるとき。

  二 第百三十二条の五十七第二項第二号に該当するに至つたとき。

  三 第百三十二条の五十八第二項、第百三十二条の六十第一項から第三項まで若しくは第六項、第百三十二条の六十二又は第百三十二条の六十三第一項の規定に違反したとき。

  四 第百三十二条の六十第四項、第百三十二条の六十一第二項又は第百三十二条の六十四の規定による命令に違反したとき。

  五 第百三十二条の六十一第一項の規定により認可を受けた試験事務規程によらないで試験事務を行つたとき。

  六 不正の手段により指定を受けたとき。

 2 国土交通大臣は、前項の規定により指定を取り消し、又は試験事務に関する業務の全部若しくは一部の停止を命じたときは、その旨を官報で公示しなければならない。

  (国土交通大臣による試験事務の実施)

 第百三十二条の六十七 国土交通大臣は、指定試験機関が第百三十二条の六十五第一項の規定により試験事務に関する業務の全部若しくは一部を休止したとき、前条第一項の規定により指定試験機関に対し試験事務に関する業務の全部若しくは一部の停止を命じたとき、又は指定試験機関が天災その他の事由により試験事務を実施することが困難となつた場合において必要があると認めるときは、試験事務を自ら行うものとする。

 2 国土交通大臣は、前項の規定により試験事務を行うものとし、又は同項の規定により行つている試験事務を行わないものとするときは、あらかじめ、その旨を官報で公示しなければならない。

 3 国土交通大臣が、第一項の規定により試験事務を行うものとし、第百三十二条の六十五第一項の規定により試験事務に関する業務の廃止を許可し、又は前条第一項の規定により指定を取り消した場合における試験事務の引継ぎその他の必要な事項は、国土交通省令で定める。

  (指定試験機関がした処分等に係る審査請求)

 第百三十二条の六十八 指定試験機関が行う試験事務に係る処分又はその不作為については、国土交通大臣に対し審査請求をすることができる。この場合において、国土交通大臣は、行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第二十五条第二項及び第三項、第四十六条第一項及び第二項、第四十七条並びに第四十九条第三項の規定の適用については、指定試験機関の上級行政庁とみなす。

      第三款 登録講習機関等

  (登録講習機関の登録)

 第百三十二条の六十九 無人航空機講習を行う者は、申請により、国土交通大臣の登録を受けることができる。

  (登録の要件等)

 第百三十二条の七十 国土交通大臣は、前条の規定による登録の申請に係る無人航空機講習が、次の表の上欄に掲げる講習機関の種類に応じ、それぞれ同表の中欄に掲げる施設及び設備を用いて、それぞれ同表の下欄に掲げる講師の条件に適合する者により行われるものであるときは、その登録をしなければならない。この場合において、登録に関して必要な手続は、国土交通省令で定める。【注: 登録講習機関が満たすべき要件が規定されています。講師の条件はそれほど厳しいものではなく、現在のドローンスクールが実施できるような形になっているように思われます。】

講習機関 施 設 及 び 設 備 講 師 の 条 件
一 一等無人航空機操縦士の講習を行うための講習機関 一 実習空域(実習期間中においては、原則として占用することができるものに限る。二の項中欄第一号において同じ。)

二 実習用無人航空機(その講習を修了することにより受けることができる技能証明に応じたものに限る。二の項中欄第二号において同じ。)

三 講習を行うため必要な建物その他の設備

四 講習に必要な書籍その他の教材

一 十八歳以上であること。

二 過去二年間に第三項第四号に規定する無人航空機講習事務に関し不正な行為を行つた者又はこの法律若しくはこの法律に基づく命令に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、若しくは執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者でないこと。

三 一等無人航空機操縦士の資格についての技能証明(無人航空機の飛行の方法について限定がされていないものに限る。)を有する者であつて一年以上無人航空機を飛行させた経験を有するもの又はこれと同等以上の能力を有する者であること。

二 二等無人航空機操縦士の講習を行うための講習機関 一 実習空域

二 実習用無人航空機

三 講習を行うため必要な建物その他の設備

四 講習に必要な書籍その他の教材

一 一の項下欄第一号及び第二号に掲げる講師の条件に適合する者であること。

二 二等無人航空機操縦士の資格についての技能証明(無人航空機の飛行の方法について限定がされていないものに限る。)を有する者であつて六月以上無人航空機を飛行させた経験を有するもの又はこれと同等以上の能力を有する者であること。

 2 国土交通大臣は、前条の規定により登録の申請をした者が、次の各号のいずれかに該当するときは、その登録をしてはならない。

  一 この法律又はこの法律に基づく命令に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者

  二 第百三十二条の七十九の規定により登録を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者

  三 法人であつて、その役員のうちに前二号のいずれかに該当する者があるもの

 3 第百三十二条の六十九の登録は、登録講習機関登録簿に次に掲げる事項を記載してするものとする。

  一 登録年月日及び登録番号

  二 無人航空機講習を行う者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名

  三 登録講習機関の種類

  四 無人航空機講習の実施に関する事務(以下「無人航空機講習事務」という。)を行う事務所の所在地

  五 前各号に掲げるもののほか、国土交通省令で定める事項

  (登録の更新)

 第百三十二条の七十一 第百三十二条の六十九の登録は、三年以内において政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。

 2 前二条の規定は、前項の登録の更新について準用する。

  (無人航空機講習事務の実施に係る義務)

 第百三十二条の七十二 登録講習機関は、公正に、かつ、第百三十二条の七十第一項に規定する要件及び国土交通省令で定める基準に適合する方法により無人航空機講習事務を行わなければならない。

  (登録事項の変更の届出)

 第百三十二条の七十三 登録講習機関は、第百三十二条の七十第三項第二号から第五号までに掲げる事項の変更をしようとするときは、その二週間前までに、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。

  (無人航空機講習事務規程)

 第百三十二条の七十四 登録講習機関は、無人航空機講習事務の開始前に、無人航空機講習事務の実施に関する規程(次項において「無人航空機講習事務規程」という。)を定め、国土交通大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

 2 無人航空機講習事務規程には、無人航空機講習の実施方法、無人航空機講習に関する料金その他の国土交通省令で定める事項を定めておかなければならない。

  (無人航空機講習事務の休廃止)

 第百三十二条の七十五 登録講習機関は、無人航空機講習事務に関する業務の全部又は一部を休止し、又は廃止するときは、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。

  (財務諸表等の備付け及び閲覧等)

 第百三十二条の七十六 登録講習機関(国又は地方公共団体を除く。次項において同じ。)は、毎事業年度経過後三月以内に、当該事業年度の財務諸表等を作成し、五年間事務所に備えて置かなければならない。

 2 無人航空機講習を受講しようとする者その他の利害関係人は、登録講習機関の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号の請求をするには、登録講習機関の定めた費用を支払わなければならない。

  一 財務諸表等が書面をもつて作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求

  二 前号の書面の謄本又は抄本の請求

  三 財務諸表等が電磁的記録をもつて作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を国土交通省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求

  四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であつて国土交通省令で定めるものにより提供することの請求又は当該事項を記載した書面の交付の請求

  (適合命令)

 第百三十二条の七十七 国土交通大臣は、無人航空機講習が第百三十二条の七十第一項に規定する要件に適合しなくなつたと認めるときは、当該登録講習機関に対し、当該要件に適合するため必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。

  (改善命令)

 第百三十二条の七十八 国土交通大臣は、登録講習機関が第百三十二条の七十二の規定に違反していると認めるときは、当該登録講習機関に対し、同条の規定による無人航空機講習を行うべきこと又は無人航空機講習事務の改善に関し必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。

  (登録の取消し等)

 第百三十二条の七十九 国土交通大臣は、登録講習機関が次の各号のいずれかに該当するときは、第百三十二条の六十九の登録を取り消し、又は期間を定めて無人航空機講習事務に関する業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。

  一 第百三十二条の七十第二項第一号又は第三号に該当するに至つたとき。

  二 第百三十二条の七十三から第百三十二条の七十五まで、第百三十二条の七十六第一項又は次条の規定に違反したとき。

  三 正当な理由がないのに第百三十二条の七十六第二項の規定による請求を拒んだとき。

  四 前二条の規定による命令に違反したとき。

  五 不正の手段により第百三十二条の六十九の登録を受けたとき。

  (帳簿の記載)

 第百三十二条の八十 登録講習機関は、国土交通省令で定めるところにより、無人航空機講習事務に関し国土交通省令で定める事項を帳簿に記載し、これを保存しなければならない。

  (公示)

 第百三十二条の八十一 国土交通大臣は、次に掲げる場合には、その旨を官報に公示しなければならない。

  一 第百三十二条の六十九の登録をしたとき。

  二 第百三十二条の七十三の規定による届出があつたとき。

  三 第百三十二条の七十五の規定による届出があつたとき。

  四 第百三十二条の七十九の規定により第百三十二条の六十九の登録を取り消し、又は業務の停止を命じたとき。

  (登録更新講習機関の登録)

 第百三十二条の八十二 無人航空機更新講習を行う者は、申請により、国土交通大臣の登録を受けることができる。【注: 本条以下は、技能証明の更新に必要な登録更新講習の実施機関に関する規定です。】

  (準用)

 第百三十二条の八十三 第百三十二条の七十から第百三十二条の八十一までの規定は、前条の登録、無人航空機更新講習及び登録更新講習機関に関する事務について準用する。【注: 登録講習機関に関する規定が準用されます。】

  (国土交通大臣による無人航空機更新講習事務の実施等)

 第百三十二条の八十四 国土交通大臣は、登録更新講習機関がいないとき、前条において準用する第百三十二条の七十五の規定による無人航空機更新講習事務に関する業務の全部又は一部の休止又は廃止の届出があつたとき、前条において準用する第百三十二条の七十九の規定により第百三十二条の八十二の登録を取り消し、又は登録更新講習機関に対し当該登録に係る業務の全部若しくは一部の停止を命じたとき、登録更新講習機関が天災その他の事由により無人航空機更新講習事務に関する業務の全部又は一部を実施することが困難となつたとき、その他必要があると認めるときは、無人航空機更新講習事務に関する業務の全部又は一部を自ら行うことができる。

 2 国土交通大臣が前項の規定により無人航空機更新講習事務に関する業務の全部又は一部を自ら行う場合における無人航空機更新講習事務の引継ぎその他の必要な事項は、国土交通省令で定める。

  第百三十一条の十三第二項中「第百三十一条の八第一項」を「第百三十二条の六第一項」に改め、同条を第百三十二条の十一とする。

  第百三十一条の十二第二号中「第百三十一条の六第一項」を「第百三十二条の四第一項」に、「第百三十一条の八第一項」を「第百三十二条の六第一項」に改め、同条を第百三十二条の十とする。

  第百三十一条の十一第一号中「第百三十一条の五」を「第百三十二条の三」に改め、同条第二号中「第百三十一条の七第一項」を「第百三十二条の五第一項」に改め、同条を第百三十二条の九とする。

  第百三十一条の十第一項中「第百三十一条の六第一項第五号」を「第百三十二条の四第一項第五号」に改め、同条を第百三十二条の八とする。

  第百三十一条の九中「第百三十一条の五」を「第百三十二条の三」に、「第百三十一条の七第一項」を「第百三十二条の五第一項」に改め、同条を第百三十二条の七とする。

  第百三十一条の八第一項中「第百三十一条の六第一項」を「第百三十二条の四第一項」に改め、同条第二項中「第百三十一条の六第二項」を「第百三十二条の四第二項」に改め、同条を第百三十二条の六とする。

  第百三十一条の七第二項ただし書中「第百三十一条の四ただし書」を「第百三十二条の二ただし書」に改め、同条を第百三十二条の五とする。

  第百三十一条の六を第百三十二条の四とし、第百三十一条の五を第百三十二条の三とし、第百三十一条の四を第百三十二条の二とし、第百三十一条の三を第百三十二条とする。

  第百三十四条第一項中「若しくは改造又は」を「、改造若しくは検査、無人航空機の装備品若しくは部品の設計、製造、整備若しくは改造、無人航空機操縦者の講習若しくは知識及び能力の判定又は」に改め、同項第十六号中「者又は」を「者、」に改め、「整備」の下に「、改造若しくは検査をする者又は無人航空機の装備品若しくは部品の設計、製造、整備」を加え、同項中第十七号を第二十号とし、第十六号の次に次の三号を加える。

  十七 指定試験機関

  十八 登録講習機関

  十九 登録更新講習機関

  第百三十五条中「手数料を」の下に「国(指定試験機関が試験事務を行う場合にあつては、指定試験機関)に」を加え、同条第七号及び第八号中「技能証明」を「航空従事者技能証明」に改め、同条第十二号中「技能証明書」を「航空従事者技能証明書」に改め、同条第二十三号中「第百三十一条の六第一項」を「第百三十二条の四第一項」に改め、同条第二十四号中「第百三十一条の八第一項」を「第百三十二条の六第一項」に改め、同条に次の九号を加える。

  二十五 第百三十二条の十三第一項の機体認証(国土交通大臣が検査を行う場合に限る。)を申請する者

  二十六 機体認証書又は型式認証書の再交付を申請する者

  二十七 第百三十二条の十六第一項の型式認証(国土交通大臣が検査を行う場合に限る。)を申請する者

  二十八 第百三十二条の十七第一項の承認(国土交通大臣が検査を行う場合に限る。)を申請する者

  二十九 第百三十二条の四十の無人航空機操縦者技能証明を申請する者

  三十 無人航空機操縦者技能証明書の再交付を申請する者

  三十一 第百三十二条の五十一第二項の無人航空機操縦者技能証明の有効期間の更新を申請する者

  三十二 第百三十二条の五十一第三項の規定による無人航空機操縦者技能証明の有効期間の更新のための講習(国土交通大臣が行うものに限る。)を受ける者

  三十三 第百三十二条の五十二第一項の無人航空機操縦者技能証明についての限定の変更を申請する者

  第百三十五条に次の一項を加える。

 2 前項の規定により指定試験機関に納められた手数料は、指定試験機関の収入とする。

  第百三十五条の二第一項中「前条」を「前条第一項」に改める。

  第百五十条の見出し及び同条第四号中「技能証明書」を「航空従事者技能証明書」に改める。【注: 以下は罰則に関する規定の改正です。制度の増加に伴い、罰則や過料の対象が増加しています。】

  第百五十七条の七中「第百三十四条の三第三項の規定に違反して、無人航空機の飛行に影響を及ぼすおそれのある行為で同項の国土交通省令で定めるものをした」を「次の各号のいずれかに該当する」に改め、同条に次の各号を加える。

  一 第百三十二条の十三第九項の規定に違反して、表示を付したとき。

  二 第百三十二条の十八第二項の規定に違反して、記録を作成せず、若しくは虚偽の記録を作成し、又は記録を保存しなかつたとき。

  三 第百三十二条の十九第一項の規定に違反して、表示を付さなかつたとき。

  四 第百三十二条の十九第二項の規定に違反して、表示を付したとき。

  五 第百三十二条の三十一の規定に違反して、許可を受けないで無人航空機検査事務の全部を廃止したとき。

  六 第百三十二条の三十七の規定に違反して、帳簿に記載せず、若しくは帳簿に虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかつたとき。

  七 第百三十二条の六十五第一項の規定に違反して、許可を受けないで試験事務の全部を廃止したとき。

  八 第百三十二条の七十五(第百三十二条の八十三において準用する場合を含む。)の規定による届出をしないで無人航空機講習事務に関する業務の全部若しくは一部を休止し、若しくは廃止し、又は虚偽の届出をしたとき。

  九 第百三十二条の八十(第百三十二条の八十三において準用する場合を含む。)の規定に違反して、帳簿に記載せず、若しくは帳簿に虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかつたとき。

  十 第百三十二条の八十八第一項の規定に違反して、通報をしないで、特定飛行を行つたとき。

  十一 第百三十二条の八十八第二項の規定による指示に従わないで、無人航空機を飛行させたとき。

  十二 第百三十四条の三第三項の規定に違反して、無人航空機の飛行に影響を及ぼすおそれのある行為で同項の国土交通省令で定めるものをしたとき。

  第百五十七条の七に次の一項を加える。

 2 第百三十二条の九十第二項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者は、三十万円以下の罰金に処する。

  第百五十七条の七を第百五十七条の十とし、同条の次に次の一条を加える。

 第百五十七条の十一 次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした者は、十万円以下の罰金に処する。

  一 第百三十二条の五十四の規定に違反して、無人航空機操縦者技能証明書を携帯しないで特定飛行を行つたとき。

  二 第百三十二条の八十九第一項の規定に違反して、飛行日誌を備えなかつたとき。

  三 第百三十二条の八十九第二項の規定に違反して、飛行日誌に記載すべき事項を記載せず、又は虚偽の記載をしたとき。

  第百五十七条の六第一号中「第百三十一条の七第二項」を「第百三十二条の五第二項」に改め、同条第二号中「第百三十一条の十一」を「第百三十二条の九」に改め、同条第七号中「第百三十二条の二第一項第十号」を「第百三十二条の八十六第二項第六号」に改め、同号を同条第十六号とし、同条第六号中「第百三十二条の二第一項第九号」を「第百三十二条の八十六第二項第五号」に改め、同号を同条第十五号とし、同条第五号中「第百三十二条の二第一項第四号」を「第百三十二条の八十六第一項第四号」に改め、同号を同条第十三号とし、同号の次に次の一号を加える。

  十四 第百三十二条の八十六第二項第一号から第四号までの規定に違反して、無人航空機を飛行させたとき。

  第百五十七条の六第四号中「第百三十二条の二第一項第二号、」を「第百三十二条の八十六第一項第二号又は」に改め、「又は第五号から第八号まで」を削り、同号を同条第十二号とし、同条第三号中「第百三十二条第一項」を「第百三十二条の八十五第一項」に改め、同号を同条第九号とし、同号の次に次の二号を加える。

  十 第百三十二条の八十五第二項の規定に違反して、無人航空機を飛行させたとき。

  十一 第百三十二条の八十五第三項の規定に違反して、無人航空機を飛行させたとき。

  第百五十七条の六第二号の次に次の六号を加える。

  三 第百三十二条の十四第一項の規定に違反して、指定された使用の条件の範囲を超えて、特定飛行を行つたとき。

  四 第百三十二条の十五第一項の規定による命令に違反して、特定飛行を行つたとき(第百三十二条の八十五第四項及び第百三十二条の八十六第五項に該当する場合を除く。)。

  五 第百三十二条の二十の規定に違反して、情報の提供をせず、又は虚偽の情報を提供したとき。

  六 第百三十二条の二十二第一項の規定による命令に違反したとき。

  七 第百三十二条の四十三第二項の規定に違反して、特定飛行を行つたとき。

  八 第百三十二条の四十四第二項の規定に違反して、特定飛行を行つたとき。

  第百五十七条の六に次の三号を加える。

  十七 第百三十二条の八十六第三項の規定に違反して、無人航空機を飛行させたとき。

  十八 第百三十二条の八十六第四項の規定に違反して、無人航空機を飛行させたとき。

  十九 第百三十二条の八十七の規定に違反して、必要な措置を講じなかつたとき。

  第百五十七条の六を第百五十七条の九とする。

  第百五十七条の五中「第百三十二条の二第一項第一号」を「第百三十二条の八十六第一項第一号」に改め、同条を第百五十七条の八とする。

  第百五十七条の四の前の見出しを削り、同条中「第百三十一条の四の規定に違反して、無人航空機を航空の用に供した」を「次の各号のいずれかに該当する」に改め、同条に次の各号を加える。

  一 第百三十二条の二の規定に違反して、無人航空機を航空の用に供したとき。

  二 第百三十二条の三十六第二項の規定による命令に違反したとき。

  三 第百三十二条の六十六第一項の規定による命令に違反したとき。

  四 第百三十二条の七十九(第百三十二条の八十三において準用する場合を含む。)の規定による命令に違反したとき。

  第百五十七条の四に次の一項を加える。

 2 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

  一 第百三十二条の三十三第一項の規定に違反して、無人航空機検査事務に関して知り得た秘密を漏らした者

  二 第百三十二条の六十三第一項の規定に違反して、試験事務に関して知り得た秘密を漏らした者

  第百五十七条の四を第百五十七条の七とし、第百五十七条の三の三を第百五十七条の五とし、同条の次に次の見出し及び一条を加える。

  (無人航空機の飛行等に関する罪)

 第百五十七条の六 第百三十二条の九十第一項の規定に違反して、危険を防止するために必要な措置を講じなかつた者は、二年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

  第百五十七条の三の二の前の見出しを削り、同条を第百五十七条の四とし、同条の前に見出しとして「(危害行為の防止に関する罪)」を付する。

  第百五十九条第二号中「第百五十七条の四まで及び第百五十七条の六から前条まで」を「第百五十七条の五まで、第百五十七条の七第一項、第百五十七条の九、第百五十七条の十第一項、第百五十七条の十一及び前条」に改める。

  第百六十一条第四号中「第百三十一条の十第一項」を「第百三十二条の八第一項」に改め、同条第五号中「第百三十一条の十三第一項」を「第百三十二条の十一第一項」に改め、同条に次の一号を加える。

  六 第百三十二条の二十一の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者

  第百六十二条を第百六十三条とし、第百六十一条の次に次の一条を加える。

 第百六十二条 次の各号のいずれかに該当する者は、二十万円以下の過料に処する。

  一 第百三十二条の三十二第一項又は第百三十二条の七十六第一項(第百三十二条の八十三において準用する場合を含む。)の規定に違反して、財務諸表等を備えて置かず、財務諸表等に記載すべき事項を記載せず、又は虚偽の記載をした者

  二 正当な理由がないのに第百三十二条の三十二第二項又は第百三十二条の七十六第二項(第百三十二条の八十三において準用する場合を含む。)の規定による請求を拒んだ者

 (運輸安全委員会設置法の一部改正)

第三条 運輸安全委員会設置法(昭和四十八年法律第百十三号)の一部を次のように改正する。

  第二条第一項中「航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第七十六条第一項各号に」を「次に」に改め、同項に次の各号を加える。

  一 航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第七十六条第一項各号に掲げる事故

  二 航空法第百三十二条の九十第一項各号に掲げる事故であつて、国土交通省令で定める重大なもの【注:  運輸安全委員会設置法の「航空事故」の対象に、ドローンの重大事故が含まれる形になっています。】

  第八条第四項第三号中「航空機の」を「無人航空機(以下この号並びに第十八条第二項第一号及び第四号において「航空機等」という。)若しくは航空機等の」に改める。【注:  無人航空機も事故等調査の対象になります。】

  第十八条第二項第一号中「航空機の使用者、航空機設計者等(航空機又は航空機」を「航空機等の使用者、航空機等設計者等(航空機等又は航空機等」に改め、「乗り組んでいた者」の下に「、無人航空機の飛行を行つた者」を加え、「人命又は航空機」を「人命又は航空機等」に改め、同項第四号中「航空機の」を「航空機等の」に、「航空機設計者等」を「航空機等設計者等」に、「航空機、」を「航空機等、」に改める。

  第二十条中「若しくは第七十六条の二」を「、第七十六条の二、第百三十二条の二十一、第百三十二条の九十第二項若しくは第百三十二条の九十一」に改める。

 (民間の能力を活用した国管理空港等の運営等に関する法律の一部改正)

第四条 民間の能力を活用した国管理空港等の運営等に関する法律(平成二十五年法律第六十七号)の一部を次のように改正する。

  目次中「第九条」を「第九条の二」に、「第二十条」を「第二十二条」に改める。

  第七条第一項中「、第四十九条」の下に「、第五十条、」を加え、「、「第四十九条」を「「第四十九条、第五十条並びに」と、「第五項並びに第百三十一条の二の五」とあるのは「第五項」に改め、同条第二項中「第四十七条の三まで」の下に「及び第百三十一条の二の五」を、「国管理空港運営権者が遵守すべき」」の下に「と、同法第百三十一条の二の五第一項及び第二項中「空港等の設置者」とあるのは「国管理空港運営権者」と、同条第一項中「当該空港等」とあるのは「当該空港」」を加え、同条第四項及び第五項中「までの規定及び」を「まで及び第百三十一条の二の五の規定並びに」に改める。

  第二章中第九条の次に次の一条を加える。

  (空港整備事業に係る資金の貸付け)

 第九条の二 国土交通大臣は、航空運送事業基盤強化方針(航空法第百十一条の七第一項に規定する航空運送事業基盤強化方針をいう。)を定めた場合においては、当該航空運送事業基盤強化方針に基づき、予算の範囲内において、民間資金法第七十二条第一項の規定により、国管理空港運営権者に対し、当該国管理空港運営権者が実施する特別会計に関する法律(平成十九年法律第二十三号)附則第二百五十九条の三第二項に規定する空港整備事業(空港の設置、改良及び災害復旧並びに維持その他の管理に関する事業並びに空港の周辺における航空機の騒音により生ずる障害の防止その他の措置に関する事業に限る。)に要する費用に充てる資金を無利子で貸し付けるものとする。

  第十二条第一項中「講ずべきこと」と」の下に「、同法第百三十一条の二の五第一項及び第二項中「空港等の設置者」とあるのは「地方管理空港運営権者」と、同条第一項中「当該空港等」とあるのは「当該空港」と」を加える。

  第二十条を第二十二条とする。

  第十九条中「国管理空港運営権者の役員又は職員がその国管理空港運営権者」を「法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人」に、「前二条」を「第十七条から前条まで」に、「国管理空港運営権者に」を「法人又は人に」に、「刑」を「罰金刑」に改め、同条を第二十一条とし、第十八条を第二十条とし、第十七条を第十九条とし、第五章中同条の前に次の二条を加える。

 第十七条 第七条第二項において準用する航空法第百三十一条の二の五第九項の規定による命令に違反したときは、その違反行為をした者は、一年以下の懲役若しくは百五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

 第十八条 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

  一 第七条第二項において準用する航空法第百三十一条の二の五第四項の規定に違反して、同項の検査を受けずに同条第一項に規定する危険物等所持制限区域内に立ち入ったとき。

  二 第七条第二項において準用する航空法第百三十一条の二の五第六項の規定に違反して、同項の検査を受けずに航空機に搭乗したとき。

  附則第六条第六項中「第四項」を「第五項」に改め、同項を同条第七項とし、同条第五項を同条第六項とし、同条第四項中「第一項」を「第二項」に、「及び第四十七条の三」を「、第四十七条の三及び第百三十一条の二の五」に、「第二項に」を「第三項に」に改め、同項を同条第五項とし、同条第三項中「第一項」を「第二項」に、「及び第四十七条の三」を「、第四十七条の三及び第百三十一条の二の五」に改め、同項を同条第四項とし、同条第二項を同条第三項とし、同条第一項中「及び第四十七条の三の」を「、第四十七条の三及び第百三十一条の二の五の」に改め、「当該民間航空専用施設」と」の下に「、同法第百三十一条の二の五第一項及び第二項中「空港等の設置者」とあるのは「共用空港運営権者」と、同条第一項中「当該空港等」とあるのは「当該民間航空専用施設」と」を加え、同項を同条第二項とし、同条に第一項として次の一項を加える。

   航空法附則第六条の規定は、共用空港運営権者が共用空港特定運営事業を実施する場合については、適用しない。

  附則第十九条を削り、附則第十八条を附則第二十条とする。

  附則第十七条中「附則第十四条第十二項」を「附則第十六条第十二項」に改め、同条を附則第十九条とする。

  附則第十六条中「附則第十四条第二項第三号」を「附則第十六条第二項第三号」に改め、同条を附則第十八条とする。

  附則第十五条第一項中「附則第十四条第二項第三号」を「附則第十六条第二項第三号」に改め、「講ずべきこと」と」の下に「、同法第百三十一条の二の五第一項及び第二項中「空港等の設置者」とあるのは「特定地方管理空港運営者」と、同条第一項中「当該空港等」とあるのは「当該空港」と」を加え、同条を附則第十七条とし、附則第十四条を附則第十六条とし、附則第十三条を附則第十五条とし、附則第十二条を附則第十四条とする。

  附則第十一条中「共用空港運営権者の役員又は職員がその共用空港運営権者」を「法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人」に、「前二条」を「附則第九条から前条まで」に、「共用空港運営権者に」を「法人又は人に」に、「刑」を「罰金刑」に改め、同条を附則第十三条とする。

  附則第十条中「共用空港運営権者の役員又は職員」を「者」に改め、同条第一号及び第二号中「附則第六条第二項」を「附則第六条第三項」に改め、同条を附則第十二条とする。

  附則第九条の前の見出しを削り、同条中「共用空港運営権者の役員又は職員」を「者」に改め、同条第一号中「附則第六条第一項」を「附則第六条第二項」に、「附則第六条第四項」を「附則第六条第五項」に改め、同条第二号及び第三号中「附則第六条第一項」を「附則第六条第二項」に改め、同条第四号中「附則第六条第三項」を「附則第六条第四項」に改め、同条第五号中「附則第六条第四項」を「附則第六条第五項」に改め、同条を附則第十一条とする。

  附則第八条の次に次の見出し及び二条を加える。

  (罰則)

 第九条 附則第六条第二項において準用する航空法第百三十一条の二の五第九項の規定による命令に違反したときは、その違反行為をした者は、一年以下の懲役若しくは百五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

 第十条 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

  一 附則第六条第二項において準用する航空法第百三十一条の二の五第四項の規定に違反して、同項の検査を受けずに同条第一項に規定する危険物等所持制限区域内に立ち入ったとき。

  二 附則第六条第二項において準用する航空法第百三十一条の二の五第六項の規定に違反して、同項の検査を受けずに航空機に搭乗したとき。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して九月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

 一 第一条中航空法第百十一条の六の次に四条を加える改正規定及び同法附則の改正規定(同法附則に二条、見出し及び三条を加える部分(同法附則第六条から第九条までに係る部分に限る。)を除く。)並びに第四条のうち民間の能力を活用した国管理空港等の運営等に関する法律目次の改正規定(「第九条」を「第九条の二」に改める部分に限る。)及び同法第二章中第九条の次に一条を加える改正規定並びに附則第十条、第十九条及び第二十条(関西国際空港及び大阪国際空港の一体的かつ効率的な設置及び管理に関する法律(平成二十三年法律第五十四号。次条第二項において「設置管理法」という。)第三十一条第一項の改正規定中「第二条第一項」を「第三条第一項」に改める部分に限る。)の規定 公布の日

 二 次条の規定 公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日

 三 附則第三条から第九条まで及び第十六条の規定 公布の日から起算して一年三月を超えない範囲内において政令で定める日

 四 第二条及び第三条並びに附則第十三条、第十五条、第十七条、第十八条及び第二十一条の規定 公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日【注:  上記の無人航空機関連の法改正は、公布の日から1年6月以内において政令で定めた日から施行されます。】

 (危害行為の防止に関する準備行為)

第二条 国土交通大臣は、この法律の施行の日(以下この条において「施行日」という。)前においても、第一条の規定(前条第一号に掲げる改正規定を除く。)による改正後の航空法(以下この条において「第一条改正後航空法」という。)第百三十一条の二の二第三項の規定の例により、同条第一項に規定する危害行為防止基本方針の案について関係行政機関の長に協議することができる。

2 空港等の設置者(航空法第四十一条第一項に規定する空港等の設置者をいう。)、地方管理空港運営権者(民間の能力を活用した国管理空港等の運営等に関する法律(以下この項において「民活空港法」という。)第十一条第二項に規定する地方管理空港運営権者をいう。)、特定地方管理空港運営者(民活空港法附則第十四条第二項第三号に規定する特定地方管理空港運営者をいう。)又は空港運営権者(設置管理法第二十九条第二項に規定する空港運営権者をいう。)は、施行日前においても、第一条改正後航空法第百三十一条の二の五第二項(第四条の規定(前条第一号に掲げる改正規定を除く。)による改正後の民活空港法(第四項において「新民活空港法」という。)第十二条第一項若しくは附則第十七条第一項の規定又は附則第二十条の規定による改正後の設置管理法第三十一条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。次項において同じ。)の規定の例により、その指定しようとする第一条改正後航空法第百三十一条の二の五第一項に規定する危険物等所持制限区域について関係者の意見を聴き、及び国土交通大臣に協議しその同意を求めることができる。

3 国土交通大臣は、前項の規定による協議があった場合は、施行日前においても、第一条改正後航空法第百三十一条の二の五第二項の規定の例により、その同意をすることができる。この場合において、当該同意は、施行日以後は、同項の同意とみなす。

4 前二項の規定は、第一条改正後航空法第五十五条の二第三項若しくは附則第六条又は新民活空港法第七条第二項の規定において第一条改正後航空法第百三十一条の二の五第二項の規定を準用する場合について準用する。

 (登録検査機関の登録に関する準備行為)

第三条 第二条の規定による改正後の航空法(以下「第二条改正後航空法」という。)第百三十二条の二十四の登録を受けようとする者は、附則第一条第四号に掲げる規定の施行の日(以下「第四号施行日」という。)前においても、第二条改正後航空法第百三十二条の二十五の規定の例により、その申請を行うことができる。

2 国土交通大臣は、前項の規定により登録の申請があった場合には、第四号施行日前においても、第二条改正後航空法第百三十二条の二十四及び第百三十二条の二十六並びに第百三十二条の三十九(第一号に係る部分に限る。以下この項において同じ。)の規定の例により、その登録及び公示をすることができる。この場合において、当該登録及び公示は、第四号施行日以後は、それぞれ第二条改正後航空法第百三十二条の二十四の登録及び第二条改正後航空法第百三十二条の三十九の規定による公示とみなす。

 (登録検査機関の無人航空機検査事務規程に関する準備行為)

第四条 前条第二項の規定により登録を受けた者は、第四号施行日前においても、第二条改正後航空法第百三十二条の三十の規定の例により、同条第一項に規定する無人航空機検査事務規程の認可の申請を行うことができる。

2 国土交通大臣は、前項の規定により認可の申請があった場合には、第四号施行日前においても、第二条改正後航空法第百三十二条の三十の規定の例により、認可をすることができる。この場合において、当該認可は、第四号施行日以後は、同条第一項の認可とみなす。

 (指定試験機関の指定に関する準備行為)

第五条 第二条改正後航空法第百三十二条の五十六第一項の規定による指定を受けようとする者は、第四号施行日前においても、同項の規定の例により、その申請を行うことができる。

2 国土交通大臣は、前項の規定により指定の申請があった場合には、第四号施行日前においても、第二条改正後航空法第百三十二条の五十六第一項及び第百三十二条の五十七並びに第百三十二条の五十八第一項の規定の例により、その指定及び公示をすることができる。この場合において、当該指定及び公示は、第四号施行日以後は、それぞれ第二条改正後航空法第百三十二条の五十六第一項の規定による指定及び第二条改正後航空法第百三十二条の五十八第一項の規定による公示とみなす。

 (指定試験機関の試験事務規程に関する準備行為)

第六条 前条第二項の規定により指定を受けた者は、第四号施行日前においても、第二条改正後航空法第百三十二条の六十一の規定の例により、同条第一項に規定する試験事務規程の認可の申請を行うことができる。

2 国土交通大臣は、前項の規定により認可の申請があった場合には、第四号施行日前においても、第二条改正後航空法第百三十二条の六十一の規定の例により、認可をすることができる。この場合において、当該認可は、第四号施行日以後は、同条第一項の認可とみなす。

 (登録講習機関の登録に関する準備行為)

第七条 第二条改正後航空法第百三十二条の六十九の登録を受けようとする者は、第四号施行日前においても、同条の規定の例により、その申請を行うことができる。

2 国土交通大臣は、前項の規定により登録の申請があった場合には、第四号施行日前においても、第二条改正後航空法第百三十二条の六十九及び第百三十二条の七十並びに第百三十二条の八十一(第一号に係る部分に限る。以下この項において同じ。)の規定の例により、その登録及び公示をすることができる。この場合において、当該登録及び公示は、第四号施行日以後は、それぞれ第二条改正後航空法第百三十二条の六十九の登録及び第二条改正後航空法第百三十二条の八十一の規定による公示とみなす。

 (登録講習機関の無人航空機講習事務規程に関する準備行為)

第八条 前条第二項の規定により登録を受けた者は、第四号施行日前においても、第二条改正後航空法第百三十二条の七十四の規定の例により、同条第一項に規定する無人航空機講習事務規程の届出を行うことができる。この場合において、当該届出は、第四号施行日以後は、同項の規定による届出とみなす。

 (飛行計画の通報に関する準備行為)

第九条 無人航空機を第四号施行日以後に飛行させる者は、第四号施行日前においても、第二条改正後航空法第百三十二条の八十八第一項の規定の例により、同項に規定する飛行計画の通報をすることができる。この場合において、当該通報は、第四号施行日以後は、同項の規定による通報とみなす。

2 国土交通大臣は、前項の規定により通報があった場合には、第四号施行日前においても、第二条改正後航空法第百三十二条の八十八第二項の例により、同項の規定による指示をすることができる。この場合において、当該指示は、第四号施行日以後は、同項の規定による指示とみなす。

 (政令への委任)

第十条 この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

 (検討)

第十一条 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律による改正後のそれぞれの法律の規定について、その施行の状況等を勘案しつつ検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。【注:  見直し規定が盛り込まれています。】

 (日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定及び日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴う航空法の特例に関する法律の一部改正)

第十二条 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定及び日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴う航空法の特例に関する法律(昭和二十七年法律第二百三十二号)の一部を次のように改正する。

  第二項中「従事する者」の下に「及び同乗する者」を、「第百三十一条」の下に「、第百三十一条の二の五第四項及び第六項(これらの規定を同法第五十五条の二第三項及び民間の能力を活用した国管理空港等の運営等に関する法律(平成二十五年法律第六十七号)第七条第二項において準用する場合を含む。)」を加える。

  附則を附則第一項とし、附則に次の一項を加える。

 2 航空法附則第六条及び民間の能力を活用した国管理空港等の運営等に関する法律附則第六条第二項において準用する航空法第百三十一条の二の五第四項及び第六項の規定は、第二項の航空機並びにその航空機に乗り組んで運航に従事する者及び同乗する者については、適用しない。

第十三条 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定及び日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴う航空法の特例に関する法律の一部を次のように改正する。

  第二項中「第百三十一条の四、第百三十一条の七、第百三十二条、第百三十二条の二」を「第百三十二条の二、第百三十二条の五、第百三十二条の八十五から第百三十二条の九十一まで」に改める。

 (自衛隊法の一部改正)

第十四条 自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)の一部を次のように改正する。

  第百七条第一項中「第九十条」の下に「、第百三十一条の二の五第四項及び第六項(これらの規定を同法第五十五条の二第三項及び民間の能力を活用した国管理空港等の運営等に関する法律(平成二十五年法律第六十七号)第七条第二項において準用する場合を含む。)」を加え、「及びその」を「並びにその」に改め、「従事する者」の下に「及び同乗する者」を加える。

  附則中第十四項を第十五項とし、第十項から第十三項までを一項ずつ繰り下げ、第九項の次に次の一項を加える。

 10 航空法附則第六条及び民間の能力を活用した国管理空港等の運営等に関する法律附則第六条第二項において準用する航空法第百三十一条の二の五第四項及び第六項の規定は、自衛隊の使用する航空機並びにその航空機に乗り組んで運航に従事する者及び同乗する者については、適用しない。

第十五条 自衛隊法の一部を次のように改正する。

  第百七条第一項中「第百三十一条の四、第百三十一条の七、第百三十二条、第百三十二条の二第一項第五号から第十号まで」を「第百三十二条の二、第百三十二条の五、第百三十二条の八十五、第百三十二条の八十六(第一項を除く。)から第百三十二条の八十九まで」に改め、同条第三項中「第六章」の下に「及び第十章」を加え、同条第四項中「限る。)」の下に「、第百三十二条の九十、第百三十二条の九十一」を加える。

 (登録免許税法の一部改正)

第十六条 登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)の一部を次のように改正する。【注:  各種登録に関する手数料に関する規定が新設されています。】

  別表第一第百三十八号の次に次のように加える。

百三十八の二 無人航空機検査に係る登録検査機関の登録又は無人航空機操縦者技能証明に係る登録講習機関の登録
 (一) 航空法等の一部を改正する法律(令和三年法律第▼▼▼号)附則第三条第二項前段(登録検査機関の登録)の登録 登録件数 一件につき九万円
 (二) 航空法等の一部を改正する法律(令和三年法律第▼▼▼号)附則第七条第二項前段(登録講習機関の登録)の登録 登録件数 一件につき九万円

第十七条 登録免許税法の一部を次のように改正する。

  別表第一第三十二号(三十)中「の航空従事者技能証明」の下に「、同法第百三十二条の四十(技能証明の実施)の無人航空機操縦者技能証明」を加え、同号(三十)中カをヨとし、ワをカとし、ヲの次に次のように加える。【注:  二等技能証明については、定められていないように思います。手数料なしでしょうか。】

  ワ 一等無人航空機操縦士の技能証明(更新の技能証明を除く。) 技能証明の件数 一件につき三千円

  別表第一第百三十八号の二を次のように改める。

百三十八の二 無人航空機検査に係る登録検査機関の登録又は無人航空機操縦者技能証明に係る登録講習機関若しくは登録更新講習機関の登録
 (一) 航空法第百三十二条の二十四(登録検査機関の登録)の登録(更新の登録を除く。) 登録件数 一件につき九万円
 (二) 航空法第百三十二条の六十九(登録講習機関の登録)の登録講習機関の登録(更新の登録を除く。) 登録件数 一件につき九万円
 (三) 航空法第百三十二条の八十二(登録更新講習機関の登録)の登録更新講習機関の登録(更新の登録を除く。) 登録件数 一件につき九万円

 (住民基本台帳法の一部改正)

第十八条 住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)の一部を次のように改正する。

  別表第一の百十八の項中「第百三十一条の六第一項」を「第百三十二条の四第一項」に、「第百三十一条の八第一項」を「第百三十二条の六第一項」に、「第百三十一条の十第一項」を「第百三十二条の八第一項」に、「第百三十一条の十三第一項」を「第百三十二条の十一第一項」に改め、同項の次に次のように加える。

百十八の二 国土交通省又は航空法第百三十二条の五十六第二項に規定する指定試験機関 航空法による同法第百三十二条の四十七第一項(同法第百三十二条の五十二第二項において準用する場合を含む。)の試験の実施に関する事務であつて総務省令で定めるもの

 (特別会計に関する法律の一部改正)

第十九条 特別会計に関する法律(平成十九年法律第二十三号)の一部を次のように改正する。

  附則第二百五十九条の三第五項第一号ト中「第九条」の下に「、民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律第七十二条第一項」を加える。

 (関西国際空港及び大阪国際空港の一体的かつ効率的な設置及び管理に関する法律の一部改正)

第二十条 関西国際空港及び大阪国際空港の一体的かつ効率的な設置及び管理に関する法律の一部を次のように改正する。

  第三十一条第一項中「第二条第一項」を「第三条第一項」に改め、「講ずべきこと」と」の下に「、同法第百三十一条の二の五第一項及び第二項中「空港等の設置者」とあるのは「空港運営権者」と、同条第一項中「当該空港等」とあるのは「当該空港」と」を加える。

 (国家戦略特別区域法の一部改正)

第二十一条 国家戦略特別区域法(平成二十五年法律第百七号)の一部を次のように改正する。

  第二十五条の二第二項第三号ハ中「第百三十二条第一項各号」を「第百三十二条の八十五第一項各号」に改め、同号ニ中「第百三十二条の二第一項第五号から第十号まで」を「第百三十二条の八十六第二項各号」に改める。

  第二十五条の五第一項中「第百三十二条第二項第二号」を「第百三十二条の八十五第四項第二号」に改め、同条第二項中「第百三十二条の二第二項第二号」を「第百三十二条の八十六第五項第二号」に改める。

 (無人航空機等の飛行による危害の発生を防止するための航空法及び重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律の一部を改正する法律の一部改正)

第二十二条 無人航空機等の飛行による危害の発生を防止するための航空法及び重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律の一部を改正する法律(令和二年法律第六十一号)の一部を次のように改正する。

  第一条のうち、航空法目次の改正規定並びに同法第九章中第百三十二条の前に一節及び節名を加える改正規定中「第九章」を「第十章」に改め、同法第百三十四条第一項の改正規定中「、航空機使用事業」を「危害行為の防止」に、「同項第九号」を「同項第十六号」に改め、同法第百五十七条の三の次に見出し及び一条を加える改正規定並びに同法第百五十九条第二号の改正規定中「第百五十七条の三」を「第百五十七条の三の三」に改める。

  附則第七条のうち日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定及び日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴う航空法の特例に関する法律第二項の改正規定中「第百三十一条」」を「含む。)」」に改める。

  附則第八条のうち自衛隊法第百七条第一項の改正規定中「第九十条」を「含む。)」に改める。

 

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